乙女戦隊 月影 〜恥じらいの戦士〜
怪人モロダシ・ダンの大暴れを知るはずもないあたしは、いつもの如く、退屈な授業を受けていた。

今は、授業より、シャーペン回しに夢中だ。


前の夏希は、一生懸命の黒板の文字を写していた。

後ろの蒔絵は、命より大切な携帯を取り上げられた為、放心状態になっていた。

変わらない退屈な日常は、突然教室に響いた校内放送によって、打ち消された。


「臨時ニュースをお伝えします。警察から連絡が入りました!恐ろしい力を持った怪人が、女性専門のフィットネスクラブを襲撃した後、こちらに…当校に向かって来ている模様です!繰り返します。変態…もとい、怪人がこちらに向かって来ております。全校生徒は、直ちに避難して下さい!繰り返します!全校生徒は、直ちに避難して下さい!」


放送が終わった瞬間、静かだった教室がざわめき、一斉に立ち上がる。

あたしと、蒔絵は座っている。

「みんな!慌てずに、ゆっくりと避難するんだ!」

熊五郎に引率されて、生徒達は教室を出ていく。



「里奈!」

夏希が、あたしに駆け寄ってきた。

あたしは、シャーペンを回しながら、

「怪人でしょ…どうせ、戦うんでしょ」

ため息をつき、

「怪人なんて、ただの変態だから…」

そう言った後、あたしははっとして、スカートをめくった。

「き、今日は、大丈夫」

下着もOKだ。

あたしは、拳を握りしめ、

「来るならこい!変態!じゃなくて、怪人!」


一応、ヒーローぽく言ってみた。

だけど、かなりやる気はない。
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