ジョーになりたかった男(懺悔)
パーーーーーッ目の前が明るく飛び散った。

目からから火花が散るとはこういうことだったのかと、不思議と冷静だった。 いや、というよりも自分が突然どうして殴られたのか状況が分からなかった。
今、自分がトドメを刺そうとロープに追い込んだはずなのに....

直樹!どうしたーー!
会長の声が聞こえる

直樹はフットワークとブロッキングで沖のパンチを外しながら自分の中に原因の判らない違和感を感じていた。

ドスッ!!
直樹のクロスカウンターが沖を捕らえる。しかし、沖は怯む様子もなく前進を続ける。

調子は悪くない。パンチも見えている。パンチも切れている。

なのに相手は倒れない。

なにかがおかしい。自分の中で少しづつ歯車が狂い始めていた.......
< 34 / 38 >

この作品をシェア

pagetop