神殺しのクロノスタシスⅤ〜前編〜
「お前ら…。そんな一瞬で、偽物を見抜いてたのか…?」
「俺だって、伊達に『八千代』を睨み続けて生きてきた訳じゃないよ」
「僕も。伊達に『八千歳』に背中を追われ続けながら生きてきた訳じゃないから」
…説得力が違うな。
さすがと言わざるを得ない。
お互いにお互いの姿を見つめ続けてきたが故に、お互いを見間違えることがない。
ここまで見事に見破られてしまうとは、ドッペルゲンガーも気の毒だな。
この二人に化けるのは、失敗だったようだ。
「羽久せんせーもさぁ、俺達が本物だって気づいてよねー」
「う…」
それは…まぁ…。
…申し訳ないと思ってるよ。
「ま、いーや。無事に俺達のどっぺるげんがーも追い払ったから…これで四人。半分を越えたね」
そういえば、そうだったな。
ドッペルゲンガーは、計七人。
俺達が退治したのは、これで四人だ。
残るは三人…。過半数を越えると、あと一息って感じがするな。
「お祝いに、イチジクのパイどうぞ」
スッ、とイチジクのパイを差し出す令月。
…そういえば。
「さっきのドッペルゲンガー、イチジクなんて植えてないって言ってたけど…」
「あぁ。園芸部の畑には、確かに植えてないよ。でも学校の裏手にイチジクの木があって、誰も手入れしてないから、ツキナが世話してるんだよ」
そうだったのか。
「それは…知りもせずに、悪いことしたな…」
「別にいーよ。どっぺるげんがーは退治したし」
「うん。意外と呆気なかったね」
お前達だけだよ。あんなに呆気なく自分達のドッペルゲンガーを退治出来るのは。
「…見習わないとね、私達も…」
シルナが、ポツリとそう言った。
「全くだな…」
「それはそれとして…改めて、今度は落ち着いてイチジクパイを食べよう」
かぼちゃケーキを食べて、その後すぐにイチジクパイかよ。
今更だが、シルナのドッペルゲンガーを見分けるのは、簡単そうだな。
甘いものを目の前に並べて、一番食いつきが良いのが本物だ。多分。
「俺だって、伊達に『八千代』を睨み続けて生きてきた訳じゃないよ」
「僕も。伊達に『八千歳』に背中を追われ続けながら生きてきた訳じゃないから」
…説得力が違うな。
さすがと言わざるを得ない。
お互いにお互いの姿を見つめ続けてきたが故に、お互いを見間違えることがない。
ここまで見事に見破られてしまうとは、ドッペルゲンガーも気の毒だな。
この二人に化けるのは、失敗だったようだ。
「羽久せんせーもさぁ、俺達が本物だって気づいてよねー」
「う…」
それは…まぁ…。
…申し訳ないと思ってるよ。
「ま、いーや。無事に俺達のどっぺるげんがーも追い払ったから…これで四人。半分を越えたね」
そういえば、そうだったな。
ドッペルゲンガーは、計七人。
俺達が退治したのは、これで四人だ。
残るは三人…。過半数を越えると、あと一息って感じがするな。
「お祝いに、イチジクのパイどうぞ」
スッ、とイチジクのパイを差し出す令月。
…そういえば。
「さっきのドッペルゲンガー、イチジクなんて植えてないって言ってたけど…」
「あぁ。園芸部の畑には、確かに植えてないよ。でも学校の裏手にイチジクの木があって、誰も手入れしてないから、ツキナが世話してるんだよ」
そうだったのか。
「それは…知りもせずに、悪いことしたな…」
「別にいーよ。どっぺるげんがーは退治したし」
「うん。意外と呆気なかったね」
お前達だけだよ。あんなに呆気なく自分達のドッペルゲンガーを退治出来るのは。
「…見習わないとね、私達も…」
シルナが、ポツリとそう言った。
「全くだな…」
「それはそれとして…改めて、今度は落ち着いてイチジクパイを食べよう」
かぼちゃケーキを食べて、その後すぐにイチジクパイかよ。
今更だが、シルナのドッペルゲンガーを見分けるのは、簡単そうだな。
甘いものを目の前に並べて、一番食いつきが良いのが本物だ。多分。