神殺しのクロノスタシスⅤ〜前編〜
…それにしても、あれだな。
当たり前のことなんだけど。
「…やっぱり、イレースはイレースだな」
「…何です?嫌味か何かですか?」
そういう意味じゃないよ。
「良い意味で言ってるんだよ。俺なんか、ドッペルゲンガー騒ぎで頭がいっぱいなのに…。イレースはいつも通りだからさ」
尊敬してるんだよ。
俺もイレースほど、堂々と構えていられたら良かったのだが。
それだけ、俺が小心者ってことなんだろうな。恥ずかしながら。
「考えても仕方のないことは、考えないだけです。私の偽物が私の前に出てきたら倒す。それだけです」
…それはまぁ、そうなんだけど。
シンプルだなー。
「偽物のしたことは、あくまで偽物のしたことです。私と同じ顔をした偽物が何をしようと、それは私ではありません。私には関係のないことです」
それもまぁ、そうなんだけど。
そんなに割り切れないんだよ。俺は。
「下らない幽霊騒ぎのせいで生徒が浮ついて、私の完璧な授業計画に傷がついたのは、許せませんけどね」
…うん。
イレースは、そうだろうな。
「…怖くないのか?自分のドッペルゲンガー…」
「邪魔だとは思いますが、怖くはありませんね。所詮はマネキン人形と同じものです」
イケメンだなぁ、イレース…。
男の俺達より、余程イケメンだよ。
俺にも、そんな度胸があったらなぁ。
「もし私の偽物を見つけたら、即座に黒焦げにしておいてください。私も、あなたの偽物を見つけたら、そうしますから」
「…うん…」
…あのさ。
それ、本物と間違えて、俺を丸焦げにしないでくれよ?
ちゃんと、そいつが偽物だという確信を持ってから、丸焼きにしてくれ。
危うく、俺が黒焦げになるところだ。
「それでは、学院長。有言実行して…明日の朝一番に、書類を持ってきてくださいね」
「うぐっ…」
「…返事は?」
「は、はいっ…」
「よろしい」
頷いてから、イレースは学院長室を出ていった。
つくづく、うだつの上がらないシルナである。
これはあれだな、シルナ…お前、今日徹夜確定だな。
当たり前のことなんだけど。
「…やっぱり、イレースはイレースだな」
「…何です?嫌味か何かですか?」
そういう意味じゃないよ。
「良い意味で言ってるんだよ。俺なんか、ドッペルゲンガー騒ぎで頭がいっぱいなのに…。イレースはいつも通りだからさ」
尊敬してるんだよ。
俺もイレースほど、堂々と構えていられたら良かったのだが。
それだけ、俺が小心者ってことなんだろうな。恥ずかしながら。
「考えても仕方のないことは、考えないだけです。私の偽物が私の前に出てきたら倒す。それだけです」
…それはまぁ、そうなんだけど。
シンプルだなー。
「偽物のしたことは、あくまで偽物のしたことです。私と同じ顔をした偽物が何をしようと、それは私ではありません。私には関係のないことです」
それもまぁ、そうなんだけど。
そんなに割り切れないんだよ。俺は。
「下らない幽霊騒ぎのせいで生徒が浮ついて、私の完璧な授業計画に傷がついたのは、許せませんけどね」
…うん。
イレースは、そうだろうな。
「…怖くないのか?自分のドッペルゲンガー…」
「邪魔だとは思いますが、怖くはありませんね。所詮はマネキン人形と同じものです」
イケメンだなぁ、イレース…。
男の俺達より、余程イケメンだよ。
俺にも、そんな度胸があったらなぁ。
「もし私の偽物を見つけたら、即座に黒焦げにしておいてください。私も、あなたの偽物を見つけたら、そうしますから」
「…うん…」
…あのさ。
それ、本物と間違えて、俺を丸焦げにしないでくれよ?
ちゃんと、そいつが偽物だという確信を持ってから、丸焼きにしてくれ。
危うく、俺が黒焦げになるところだ。
「それでは、学院長。有言実行して…明日の朝一番に、書類を持ってきてくださいね」
「うぐっ…」
「…返事は?」
「は、はいっ…」
「よろしい」
頷いてから、イレースは学院長室を出ていった。
つくづく、うだつの上がらないシルナである。
これはあれだな、シルナ…お前、今日徹夜確定だな。