神殺しのクロノスタシスⅤ〜前編〜
きちんと身だしなみを整えて。
私はジュリスと共に、王都セレーナの駅に向かった。
そこで、南に向かう列車の切符を買った。
人が多くて座れなかったら嫌だなと思ってたけど、朝の通勤通学ラッシュのピークは、既に過ぎていたようで。
私とジュリスが座る席くらいは、余裕で空いていた。
良かったー。
「座れて良かったね、ジュリス」
「そうだな。…ほら、ベリクリーデ。これ食べろ」
席に座ると、ジュリスが持参したランチボックス(朝ご飯だけど)を差し出してくれた。
「何?」
「フィッシュサンドだよ」
「…ふぃしゅ?」
「魚な。魚」
お魚かー。お魚サンドイッチ。
ランチボックスを開けてみると、美味しそうなお魚サンドイッチが入っていた。
わーい。美味しそう。
「ジュリスが作ったの?」
「ん?あぁ。お前のことだから、どうせ寝坊すると思ってな」
さすがジュリス。私のこと、よく分かってる。
「いただきまーす」
「どうぞ」
もぐ。
もぐもぐ。
…ごくん。
「これ美味しいよ、ジュリス」
「そりゃ良かったな」
お魚のサンドイッチだから、生魚がパンに挟まれてるのかなぁ、何だか気持ち悪いなぁと思ってたら。
全然気持ち悪くなかった。美味しい。
「ジュリスは料理するのが上手だね」
「お前が下手過ぎ…。いや、まぁ長いこと生きてりゃ、大抵のことには慣れるもんだよ」
「そっかー」
「ちょ、こら。パンくずをポロポロ溢すんじゃない」
もぐもぐ。美味しい。
「それと、お茶もちゃんと飲め」
ジュリスが、水筒のコップを差し出してくれた。
わーい。
ごくごく。
「ジュリスのご飯は美味しいね」
「良かったな」
「これは何のお魚?金魚?」
「…普通に、スーパーで売ってる白身魚だよ」
「そっかー」
何のお魚かは分からないけど、でも美味しいね。
もしかして、ピラニアかな?
美味しいから何でも良いや。金魚でもピラニアでも深海魚でも。
私がふぃしゅサンドをもぐもぐしていると。
ジュリスが、ふと私の指に目を留めた。
「…ん?ベリクリーデ、お前それ…」
「ほぇ?」
「指輪、まだつけてたのか」
…指輪?
私はジュリスと共に、王都セレーナの駅に向かった。
そこで、南に向かう列車の切符を買った。
人が多くて座れなかったら嫌だなと思ってたけど、朝の通勤通学ラッシュのピークは、既に過ぎていたようで。
私とジュリスが座る席くらいは、余裕で空いていた。
良かったー。
「座れて良かったね、ジュリス」
「そうだな。…ほら、ベリクリーデ。これ食べろ」
席に座ると、ジュリスが持参したランチボックス(朝ご飯だけど)を差し出してくれた。
「何?」
「フィッシュサンドだよ」
「…ふぃしゅ?」
「魚な。魚」
お魚かー。お魚サンドイッチ。
ランチボックスを開けてみると、美味しそうなお魚サンドイッチが入っていた。
わーい。美味しそう。
「ジュリスが作ったの?」
「ん?あぁ。お前のことだから、どうせ寝坊すると思ってな」
さすがジュリス。私のこと、よく分かってる。
「いただきまーす」
「どうぞ」
もぐ。
もぐもぐ。
…ごくん。
「これ美味しいよ、ジュリス」
「そりゃ良かったな」
お魚のサンドイッチだから、生魚がパンに挟まれてるのかなぁ、何だか気持ち悪いなぁと思ってたら。
全然気持ち悪くなかった。美味しい。
「ジュリスは料理するのが上手だね」
「お前が下手過ぎ…。いや、まぁ長いこと生きてりゃ、大抵のことには慣れるもんだよ」
「そっかー」
「ちょ、こら。パンくずをポロポロ溢すんじゃない」
もぐもぐ。美味しい。
「それと、お茶もちゃんと飲め」
ジュリスが、水筒のコップを差し出してくれた。
わーい。
ごくごく。
「ジュリスのご飯は美味しいね」
「良かったな」
「これは何のお魚?金魚?」
「…普通に、スーパーで売ってる白身魚だよ」
「そっかー」
何のお魚かは分からないけど、でも美味しいね。
もしかして、ピラニアかな?
美味しいから何でも良いや。金魚でもピラニアでも深海魚でも。
私がふぃしゅサンドをもぐもぐしていると。
ジュリスが、ふと私の指に目を留めた。
「…ん?ベリクリーデ、お前それ…」
「ほぇ?」
「指輪、まだつけてたのか」
…指輪?