神殺しのクロノスタシスⅤ〜前編〜
「…誰?」
暗がりに、うっすらと人影が見えた。
二人分の人影だ。
一人は、子供の背丈。
もう一人は…丁度、私と同じくらいの背丈。
私は、ゆっくりとベッドから起き上がった。
「…誰なの?」
もう一度尋ねてみる。
返事をしたのは、小さい方の人影だった。
「…折角楽しめると思ったのに、意外とすぐに消されちゃってさ」
…?
知らない人の声だ。
暗がりで、顔も見えない。
楽しめるって、消されるって、一体何のこと?
「最後の一人くらい、手を貸してみようと思ってね」
「…君達は誰?何をしたいの?」
子供の人影は、何も答えなかった。
代わりに、私の質問に答えたのは…傍らにいた、もう一人。
私と同じ背格好で、そして…。
…暗がりの中で、一瞬だけはっきりと見えた。
私と同じ背格好。
そして。
「私は…あなたになるの」
私と、全く同じ顔だった。
昼間ジュリスに聞いた、ドッペルゲンガー、という言葉を思い出したときには、もう遅かった。
「君はもう要らないからさ…消えてよ」
子供の人影が、ゆらり、と動いた。
強い腐敗臭が部屋の中に立ち込め、思わず吐き気を催しそうになったが。
次の瞬間には…私は、その場から消えていた。
抵抗する暇も隙もなかったけど。
ただ一つ、思ったことは。
ジュリスにまた、迷惑かけちゃうなぁ、ってことだった。
暗がりに、うっすらと人影が見えた。
二人分の人影だ。
一人は、子供の背丈。
もう一人は…丁度、私と同じくらいの背丈。
私は、ゆっくりとベッドから起き上がった。
「…誰なの?」
もう一度尋ねてみる。
返事をしたのは、小さい方の人影だった。
「…折角楽しめると思ったのに、意外とすぐに消されちゃってさ」
…?
知らない人の声だ。
暗がりで、顔も見えない。
楽しめるって、消されるって、一体何のこと?
「最後の一人くらい、手を貸してみようと思ってね」
「…君達は誰?何をしたいの?」
子供の人影は、何も答えなかった。
代わりに、私の質問に答えたのは…傍らにいた、もう一人。
私と同じ背格好で、そして…。
…暗がりの中で、一瞬だけはっきりと見えた。
私と同じ背格好。
そして。
「私は…あなたになるの」
私と、全く同じ顔だった。
昼間ジュリスに聞いた、ドッペルゲンガー、という言葉を思い出したときには、もう遅かった。
「君はもう要らないからさ…消えてよ」
子供の人影が、ゆらり、と動いた。
強い腐敗臭が部屋の中に立ち込め、思わず吐き気を催しそうになったが。
次の瞬間には…私は、その場から消えていた。
抵抗する暇も隙もなかったけど。
ただ一つ、思ったことは。
ジュリスにまた、迷惑かけちゃうなぁ、ってことだった。