神殺しのクロノスタシスⅤ〜前編〜
シファちゃんの後を追って、ちょこちょことついていくと。
私は、さながら大蛇のような列車に乗り込んだ。
凄く大きい。それに天井が高くて、座席も綺麗だ。
屋根のない、無蓋列車に乗るのかなと思ったのに。
まさか屋根があるなんて…。贅沢な列車だ。
「ふぅ、間に合った間に合った…」
列車が動き出すと、シファちゃんはホッと一息ついたようだった。
…しかしこの列車って、何処に向かってるんだろう?
南?それとも東…?
「?ベリーシュ、さっきママにもらったサンドイッチ、早く食べなきゃ。時間なくなるよ」
「あ、うん…」
シファちゃんに促されて、私はサンドイッチの包みを取り出した。
…ママには悪いけど、実はお腹が空いてない。
最後にご飯食べたのはいつだったろう?
思い出せないくらい前なのに、ちっともお腹が空いてない…。
そもそも私は、お腹が空くという経験を味わったことが、そんなに…。
…。
…まぁ、でも、いっか。
「…あ」
サンドイッチの包みを開けて、ふと気がついた。
このサンドイッチ、あれだ。
えーと、何だっけ。教えてもらったんだよ、確か…。
「…ふぃしゅサンドだ」
そう、それそれ。
確か凄く美味しかったんだよ。お魚挟んだサンドイッチ。前に食べたことがある…。
…前…いつ食べたんだだっけ?
しかし、シファちゃんは。
「…?昨日の夕飯の残りを、パンに挟んだんじゃないの?」
怪訝そうな顔で、そう言った。
そうなんだ。昨日の夕飯…。
…その、昨日の夕飯の時間…私は、そこにいたのだろうか?
覚えていないだけで…。
「早く食べなよ。駅に着いちゃうよ?」
「…うん…」
もぐ、とサンドイッチを口に含む。
美味しい。凄く美味しいんだけど…。
…何だろう。前食べたときみたいな、心が浮き足立つような気持ちにはならない。
…前食べたのって、いつのことだっけ?
誰が作ってくれたんだっけ…。まさか自分で作った訳じゃないだろう。
じゃあ、誰が…?
私は前もこうして、その人と列車に乗ったような…。
その人と一緒に、何処に向かったんだっけ?何をしに行ったんだっけ?
列車の中で、どんなお話をしたんだっけ…?
…駄目だ、思い出せない。
これはあれだね、重症だ。
認めざるを得ない。私は多分…記憶喪失、って奴なんだ。
私は、さながら大蛇のような列車に乗り込んだ。
凄く大きい。それに天井が高くて、座席も綺麗だ。
屋根のない、無蓋列車に乗るのかなと思ったのに。
まさか屋根があるなんて…。贅沢な列車だ。
「ふぅ、間に合った間に合った…」
列車が動き出すと、シファちゃんはホッと一息ついたようだった。
…しかしこの列車って、何処に向かってるんだろう?
南?それとも東…?
「?ベリーシュ、さっきママにもらったサンドイッチ、早く食べなきゃ。時間なくなるよ」
「あ、うん…」
シファちゃんに促されて、私はサンドイッチの包みを取り出した。
…ママには悪いけど、実はお腹が空いてない。
最後にご飯食べたのはいつだったろう?
思い出せないくらい前なのに、ちっともお腹が空いてない…。
そもそも私は、お腹が空くという経験を味わったことが、そんなに…。
…。
…まぁ、でも、いっか。
「…あ」
サンドイッチの包みを開けて、ふと気がついた。
このサンドイッチ、あれだ。
えーと、何だっけ。教えてもらったんだよ、確か…。
「…ふぃしゅサンドだ」
そう、それそれ。
確か凄く美味しかったんだよ。お魚挟んだサンドイッチ。前に食べたことがある…。
…前…いつ食べたんだだっけ?
しかし、シファちゃんは。
「…?昨日の夕飯の残りを、パンに挟んだんじゃないの?」
怪訝そうな顔で、そう言った。
そうなんだ。昨日の夕飯…。
…その、昨日の夕飯の時間…私は、そこにいたのだろうか?
覚えていないだけで…。
「早く食べなよ。駅に着いちゃうよ?」
「…うん…」
もぐ、とサンドイッチを口に含む。
美味しい。凄く美味しいんだけど…。
…何だろう。前食べたときみたいな、心が浮き足立つような気持ちにはならない。
…前食べたのって、いつのことだっけ?
誰が作ってくれたんだっけ…。まさか自分で作った訳じゃないだろう。
じゃあ、誰が…?
私は前もこうして、その人と列車に乗ったような…。
その人と一緒に、何処に向かったんだっけ?何をしに行ったんだっけ?
列車の中で、どんなお話をしたんだっけ…?
…駄目だ、思い出せない。
これはあれだね、重症だ。
認めざるを得ない。私は多分…記憶喪失、って奴なんだ。