神殺しのクロノスタシスⅤ〜前編〜
そのまま、シファちゃんの後をついて電車を降り、しばらく歩くと。
ようやく、目的地である学校という場所に辿り着いた。
こんなに綺麗な家が立ち並んでいるんだから、きっと学校という場所も、さぞかし立派なんだろうと思っていたが。
「…あれ…」
…意外とそうでもなかった。
いや、これも充分、私が昔住んでいた場所に比べれば立派な建物なんだけど。
思ったほどじゃなかったって言うか…。
私の知る学校とは違っていた。
学校っていうのは、もっと大きくて…。
「?ベリーシュ、何してるの?早く行かなきゃ」
「う…うん…」
朝の時間だけで、もう何度シファちゃんに促されたことか。
シファちゃんが何かしら指示してくれなかったら、私は多分、未だに夢の中を彷徨っていたことだろう。
そして、シファちゃんが促すってことは…ここが、私の学校なんだろう。
学校…私が学校…。
全く覚えがないとは言わないが、何だか馴染みがない。
学校なんて、私…通ってたっけ…?
覚えてるような…覚えてないような…。
クリーム色をした校舎を前に、私はふと立ち止まって、校舎を見上げる。
…違う。やっぱりここじゃない。
本能的に、私はそう思った。
何の根拠がある訳でもない。記憶が残ってる訳でもない。
それでも、ここは違う。私の学校じゃない。
それだけは確かだと思った。
ここは私の居場所じゃない…。私の居場所はもっと…。
…しかし。
「…どうしたの?ボーッと立ち止まって」
シファちゃんに、声をかけられた。
それは…だって、ここは私の居場所じゃなくて。
「私、本当に…ここにいたっけ?」
「は?」
「違う気がするの…。私がいた学校は、もっと別の…」
私がそう言うと、シファちゃんはしばしポカンとして。
それから、ぷっと噴き出した。
「何々?現実逃避?分かるよ。今日の一限の数学、小テストあるもんね。私も現実逃避したいよ」
え、何の話?
現実逃避?小テスト?
違うよ。小テストが何なのかは知らないけど、私は現実逃避しようとしてるんじゃない。
むしろ、その逆。
現実を探そうとしてるんだ。私が居るべき現実を。
でも、シファちゃんには通用しなかった。
「現実逃避したって仕方ないからね。そんな暇があったら少しでもテキストを読んで、試験に備えようよ」
「…」
そう言われては、これ以上食い下がる訳にも行かず。
私は、見覚えのない校舎に入っていった。
ようやく、目的地である学校という場所に辿り着いた。
こんなに綺麗な家が立ち並んでいるんだから、きっと学校という場所も、さぞかし立派なんだろうと思っていたが。
「…あれ…」
…意外とそうでもなかった。
いや、これも充分、私が昔住んでいた場所に比べれば立派な建物なんだけど。
思ったほどじゃなかったって言うか…。
私の知る学校とは違っていた。
学校っていうのは、もっと大きくて…。
「?ベリーシュ、何してるの?早く行かなきゃ」
「う…うん…」
朝の時間だけで、もう何度シファちゃんに促されたことか。
シファちゃんが何かしら指示してくれなかったら、私は多分、未だに夢の中を彷徨っていたことだろう。
そして、シファちゃんが促すってことは…ここが、私の学校なんだろう。
学校…私が学校…。
全く覚えがないとは言わないが、何だか馴染みがない。
学校なんて、私…通ってたっけ…?
覚えてるような…覚えてないような…。
クリーム色をした校舎を前に、私はふと立ち止まって、校舎を見上げる。
…違う。やっぱりここじゃない。
本能的に、私はそう思った。
何の根拠がある訳でもない。記憶が残ってる訳でもない。
それでも、ここは違う。私の学校じゃない。
それだけは確かだと思った。
ここは私の居場所じゃない…。私の居場所はもっと…。
…しかし。
「…どうしたの?ボーッと立ち止まって」
シファちゃんに、声をかけられた。
それは…だって、ここは私の居場所じゃなくて。
「私、本当に…ここにいたっけ?」
「は?」
「違う気がするの…。私がいた学校は、もっと別の…」
私がそう言うと、シファちゃんはしばしポカンとして。
それから、ぷっと噴き出した。
「何々?現実逃避?分かるよ。今日の一限の数学、小テストあるもんね。私も現実逃避したいよ」
え、何の話?
現実逃避?小テスト?
違うよ。小テストが何なのかは知らないけど、私は現実逃避しようとしてるんじゃない。
むしろ、その逆。
現実を探そうとしてるんだ。私が居るべき現実を。
でも、シファちゃんには通用しなかった。
「現実逃避したって仕方ないからね。そんな暇があったら少しでもテキストを読んで、試験に備えようよ」
「…」
そう言われては、これ以上食い下がる訳にも行かず。
私は、見覚えのない校舎に入っていった。