神殺しのクロノスタシスⅤ〜前編〜
毎日シファちゃんが私を起こしてくれて、一緒に支度して、一緒に学校に行っていたんだけど。
その日の朝、シファちゃんは、いつもよりやけに早く準備を済ませていた。
…?
…いつもと同じ時間なのに、今日は早いんだな、シファちゃん…。
するとシファちゃんは、私がまだ着替えないうちに、学生カバンを手に取った。
「…?シファちゃん、もう行くの?」
「うん。今日日直だから。早く行かないと」
…にっちょく?
って、何だろう…。
とにかく、早く行かなきゃならない事情があるらしい。
…えっ。ってことは。
「私は一人で行くの?」
「?そうなるね」
何を当たり前のことを、と言わんばかり。
「…」
…わー…。
…私、一人で学校…行けるかな?
これまで毎日、シファちゃんにくっついて学校に行ってたけど。
自分一人で行ったことはない。
正直、学校までの道のりを、完璧に覚えているとは言い難い。
道がね、ぐねぐねしてて、列車に乗ったりして、よく分からないの。
駅までの道のりは覚えてる…と思うけど、問題は列車だな…。
一人で行けるかな…?
下手したら、街の中で迷子になりそう…。
…うん、そうなったら仕方ないな。
「じゃ、私先に行くから」
「うん…。気をつけてね」
「ベリーシュもね」
シファちゃんは学生カバンを手に、すたすたと一人で玄関に向かった。
…さて、私はどうしよう。
とりあえず、いつもの黒い制服に着替えるとしよう。
…この服、毎日着てるけど…未だに慣れないな。
何で黒なんだろう…。魔女みたいだから、やっぱり白が良いなぁ…。
白…白い制服…。私は一体、何処で白い制服を着てたんだったか…。
…それに。
「…あの人…」
夢の中にいた、あの人。
あの人のことが、どうにも頭に引っ掛かっている。
私に向かって、手を差し伸べてくれた人。
温かい感じがした。優しい感じがした。
あれは、誰だったんだろう。
私にとって、どういう関係の人?
…思い出せない。
思い出せないことに、罪悪感を感じる。
私はあの人のことを、決して忘れてはいけないのだ。
きっと私にとって、とても大事な人なんだろう…。
その日の朝、シファちゃんは、いつもよりやけに早く準備を済ませていた。
…?
…いつもと同じ時間なのに、今日は早いんだな、シファちゃん…。
するとシファちゃんは、私がまだ着替えないうちに、学生カバンを手に取った。
「…?シファちゃん、もう行くの?」
「うん。今日日直だから。早く行かないと」
…にっちょく?
って、何だろう…。
とにかく、早く行かなきゃならない事情があるらしい。
…えっ。ってことは。
「私は一人で行くの?」
「?そうなるね」
何を当たり前のことを、と言わんばかり。
「…」
…わー…。
…私、一人で学校…行けるかな?
これまで毎日、シファちゃんにくっついて学校に行ってたけど。
自分一人で行ったことはない。
正直、学校までの道のりを、完璧に覚えているとは言い難い。
道がね、ぐねぐねしてて、列車に乗ったりして、よく分からないの。
駅までの道のりは覚えてる…と思うけど、問題は列車だな…。
一人で行けるかな…?
下手したら、街の中で迷子になりそう…。
…うん、そうなったら仕方ないな。
「じゃ、私先に行くから」
「うん…。気をつけてね」
「ベリーシュもね」
シファちゃんは学生カバンを手に、すたすたと一人で玄関に向かった。
…さて、私はどうしよう。
とりあえず、いつもの黒い制服に着替えるとしよう。
…この服、毎日着てるけど…未だに慣れないな。
何で黒なんだろう…。魔女みたいだから、やっぱり白が良いなぁ…。
白…白い制服…。私は一体、何処で白い制服を着てたんだったか…。
…それに。
「…あの人…」
夢の中にいた、あの人。
あの人のことが、どうにも頭に引っ掛かっている。
私に向かって、手を差し伸べてくれた人。
温かい感じがした。優しい感じがした。
あれは、誰だったんだろう。
私にとって、どういう関係の人?
…思い出せない。
思い出せないことに、罪悪感を感じる。
私はあの人のことを、決して忘れてはいけないのだ。
きっと私にとって、とても大事な人なんだろう…。