神殺しのクロノスタシスⅤ〜前編〜
…。
…えぇっと…何事?
眩しさに目を細めた、その先に。
水色の髪をして、鱗のような模様のついた、マーメイドスカートを纏う美女がいた。
…ど…。
…どなた?
「…学院に侵入する者は、何人であろうとも許しません」
すちゃ、と杖を取り出すイレース。
ちょ、早まるな。早まるなって。せめて話を聞いてから。
しかし、二枚貝から現れた謎の美女は、そんなイレースを物ともせず。
代わりに、つかつかとこちらに歩み寄り。
無遠慮に、じろじろと俺の顔を眺めていた。
な…何?何なんだ?
そもそも、あんた誰?
「わたくしは、恋する人魚姫」
と、自信満々に美女は言った。
「理想の殿方と添い遂げる為に、わたくしに力を貸してくださいませ」
…とのこと。
えぇと…ちょっと、意味がよく分からないんだけど…。
…凄く、面倒臭そうな匂いはする。
俺はもしかして、開けてはならないパンドラの箱…ならぬ。
パンドラの貝殻を、開けてしまったのでは?
「あ、あぁ…。貝殻、開けちゃった…」
と、青ざめるシルナ。
おい、マジかよ。やっぱり?
落ちてるものを、不用意に拾い上げるものじゃない。
人生の教訓にしよう。
「シルナ。これ知ってるのか?誰なんだよこの女?」
「彼女は…『人魚姫』だ」
…『人魚姫』?
って言うと、あの有名な童話の?王子に惚れた人魚が、魔法で人間になる…あの童話?
童話…人魚姫って…まさか…。
「…まさか、またあの…童話シリーズの魔法道具じゃないでしょうね?」
ずばり、とイレースが尋ねると。
シルナは遠い目をして、こくんと頷いた。
…そうなのか。やっぱり。
…そうだったか…。
俺、もう二度と落し物拾うのやめとこうかな。
ろくな目に遭わん。
…えぇっと…何事?
眩しさに目を細めた、その先に。
水色の髪をして、鱗のような模様のついた、マーメイドスカートを纏う美女がいた。
…ど…。
…どなた?
「…学院に侵入する者は、何人であろうとも許しません」
すちゃ、と杖を取り出すイレース。
ちょ、早まるな。早まるなって。せめて話を聞いてから。
しかし、二枚貝から現れた謎の美女は、そんなイレースを物ともせず。
代わりに、つかつかとこちらに歩み寄り。
無遠慮に、じろじろと俺の顔を眺めていた。
な…何?何なんだ?
そもそも、あんた誰?
「わたくしは、恋する人魚姫」
と、自信満々に美女は言った。
「理想の殿方と添い遂げる為に、わたくしに力を貸してくださいませ」
…とのこと。
えぇと…ちょっと、意味がよく分からないんだけど…。
…凄く、面倒臭そうな匂いはする。
俺はもしかして、開けてはならないパンドラの箱…ならぬ。
パンドラの貝殻を、開けてしまったのでは?
「あ、あぁ…。貝殻、開けちゃった…」
と、青ざめるシルナ。
おい、マジかよ。やっぱり?
落ちてるものを、不用意に拾い上げるものじゃない。
人生の教訓にしよう。
「シルナ。これ知ってるのか?誰なんだよこの女?」
「彼女は…『人魚姫』だ」
…『人魚姫』?
って言うと、あの有名な童話の?王子に惚れた人魚が、魔法で人間になる…あの童話?
童話…人魚姫って…まさか…。
「…まさか、またあの…童話シリーズの魔法道具じゃないでしょうね?」
ずばり、とイレースが尋ねると。
シルナは遠い目をして、こくんと頷いた。
…そうなのか。やっぱり。
…そうだったか…。
俺、もう二度と落し物拾うのやめとこうかな。
ろくな目に遭わん。