神殺しのクロノスタシスⅤ〜前編〜
恥ずかしいラブレターを、恥ずかしげもなく投函した人魚姫は。
早速、次のアプローチに移っていた。
今度は、毛糸と編み針を持ってきた。
何処から持ってきたんだ?それ。学院にそんなもの置いてなかったはずなんだが?
そして、その毛糸と編み針を使って編み物を始めた。
…大体、想像はつくけど…。
「…何作ってんの?」
俺がそう聞くと、人魚姫は、よくぞ聞いてくれた、みたいな顔でこちらを見た。
あ、やっぱ聞かなきゃ良かった。
「それは勿論、アトラス様へのプレゼントですわ」
…さっきまで俺の話、全然聞いてなかった癖に。
自分に都合の良いことは、きちんと聞こえてるんだな。
便利なお耳をお持ちで、羨ましい限りだ。
「プレゼント…ねぇ…」
「これから寒くなる時期ですから、アトラス様にマフラーを編んで差し上げるのですわ」
ふーん。
恋人に送る手作りプレゼントの定番だな。マフラー。
何気にマフラーって、あれだよな。首に巻くものをプレゼントするって、結構重い気がするよ。
しかしお前、何で人魚の癖に、編み物が出来るんだ?
白と赤の毛糸で、せっせとマフラーを編む人魚姫を、しばし白い目で見つめ。
…改めて。
「…忙しそうなところ悪いんだけど、アトラスって実は既婚者なんだぞ」
冷静な今なら、話が通じるかと思ったのだが。
「ふふ、折角ですから、ハート模様を編んでみましょう。やはりピンクが良いですわよね」
相変わらず、自分に都合の悪いことは聞こえないらしい。
本当、羨ましい耳だよ。
あと、まだ恋人でもないのに、ハート模様のマフラーは重くね?
いくら出来が良くても、使ってもらえるとは思えない。
つーか、アトラスがマフラー巻いてるの、見たことない気がする…。
使ってもらえるのか?それ…。
「ふふふ…。待っていてくださいませ、アトラス様…」
「…」
駄目だ。人魚姫、全然聞いてない。
早速、次のアプローチに移っていた。
今度は、毛糸と編み針を持ってきた。
何処から持ってきたんだ?それ。学院にそんなもの置いてなかったはずなんだが?
そして、その毛糸と編み針を使って編み物を始めた。
…大体、想像はつくけど…。
「…何作ってんの?」
俺がそう聞くと、人魚姫は、よくぞ聞いてくれた、みたいな顔でこちらを見た。
あ、やっぱ聞かなきゃ良かった。
「それは勿論、アトラス様へのプレゼントですわ」
…さっきまで俺の話、全然聞いてなかった癖に。
自分に都合の良いことは、きちんと聞こえてるんだな。
便利なお耳をお持ちで、羨ましい限りだ。
「プレゼント…ねぇ…」
「これから寒くなる時期ですから、アトラス様にマフラーを編んで差し上げるのですわ」
ふーん。
恋人に送る手作りプレゼントの定番だな。マフラー。
何気にマフラーって、あれだよな。首に巻くものをプレゼントするって、結構重い気がするよ。
しかしお前、何で人魚の癖に、編み物が出来るんだ?
白と赤の毛糸で、せっせとマフラーを編む人魚姫を、しばし白い目で見つめ。
…改めて。
「…忙しそうなところ悪いんだけど、アトラスって実は既婚者なんだぞ」
冷静な今なら、話が通じるかと思ったのだが。
「ふふ、折角ですから、ハート模様を編んでみましょう。やはりピンクが良いですわよね」
相変わらず、自分に都合の悪いことは聞こえないらしい。
本当、羨ましい耳だよ。
あと、まだ恋人でもないのに、ハート模様のマフラーは重くね?
いくら出来が良くても、使ってもらえるとは思えない。
つーか、アトラスがマフラー巻いてるの、見たことない気がする…。
使ってもらえるのか?それ…。
「ふふふ…。待っていてくださいませ、アトラス様…」
「…」
駄目だ。人魚姫、全然聞いてない。