神殺しのクロノスタシスⅤ〜前編〜
「どうも…ありがとうございます…」

「うむ。多少けばけばしい色だが、シュニィは何を着てても似合うぞ」

…で、どうしましょう?これ。

正直、私に渡されても…。

私だって、つけたくないですよ。

デザインがあまりにも子供っぽい…のは、まだ良いとして。

愛人候補が夫に送ったプレゼントを、正妻である私が身につける。

そんな度胸は、私にはありません。

かと言って、ゴミ箱に叩き込む訳にもいきませんし…。

…。

…仕方、ありませんね。

このマフラーも…引き出しの中に、隠蔽しておくことにしましょう。

人魚姫さんの思いは、今のところ、ことごとく空回りしていて。

人魚姫さんには気の毒ですが、私としては非常に有り難いですね。

出来ればこのまま、アトラスさんに全く相手にされず、諦めてくれれば良いのですが…。




…しかし。
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