神殺しのクロノスタシスⅤ〜前編〜
一番嬉しそうなのは、勿論この男。
「はいっ!ヨーグルトポムポム食べる人、この指とーまれ!」
放課後を迎えるなり、今日もハイテンションである。
…つーか、ヨーグルトポムポムって何だ?
…プリン?プリンみたいなもの?
ちらりと見てみたら、プリンではなく、普通のケーキみたいに見えた。
ふーん。そんな菓子があるのか…。
またあれか。『ヘンゼルとグレーテル』とかいう菓子屋で買ってきたんだろうか。
つーか、『ヘンゼルとグレーテル』も童話の名前じゃん。
駄目だな。最近、童話と名のつくものに敏感になっている。
仕方ないだろ?立て続けに、あんな目に遭わされたら。
全く、嫌な思い出だよ。
『白雪姫と七人の小人』なんか、特にな。
もう、二度とあんな目には遭いたくない…。
「はいっ!ちょっと!皆!誰か!この指とーまれって!誰かとまって!」
誰一人乗ってこないので、一人で焦っているシルナである。
勝手に食えよ。
「ヨーグルトポムポムだそうですよ、天音さん。どうします?」
「今、別にお腹空いてないからな…。…はい、ナジュ君の番」
「じゃあこれ…。おっと、外れですね。次は天音さんの番ですよ」
シルナを横目に、二人でトランプ遊びに興じるナジュと天音である。
どうやら、ババ抜きをしているようだが…。
…教師が放課後に、ババ抜きやって遊んでる暇あるのか?
いや、放課後にヨーグルトポムポムに夢中になってる学院長がいる学校だから。
もう、今更って感じだよ。
真面目なのはイレースだけだな。
「失礼ですね、羽久さん。僕も真面目ですよ。こんなに真面目にババ抜きやってる教師は、ルーデュニア聖王国広しと言えども僕くらい…」
「あーはいはいそうですねー」
真面目な教師はな、勝手に人の心を読んだりしないんだよ。
…そういえば。
「ナジュ相手にトランプゲームなんかやっても、何も面白くないだろ」
俺は、天音に向かってそう言った。
だって、ナジュにはご覧のとおり、厄介な読心魔法があるのだ。
カードゲームでもボードゲームでも、相手の心を読めるナジュは負け知らずのはず。
しかし。
「大丈夫。ナジュ君が引くときは、カードを全部シャッフルして、僕もどのカードが分からないようにしてるから」
あぁ、成程。
天音も知らないことなら、いかに読心魔法を使おうとも、無意味だからな。
「そこまでしなくても、たかがトランプゲームくらいで読心魔法を使ったりしませんよ」
と、ナジュ。
そうは言うけど、お前隙あらば人の心読むからな。
説得力ねーよ。
「僕はこんなに誠実だというのに、羽久さんは失礼ですねー」
誠実を名乗るなら、まずはその読心魔法癖をやめることだな。
そうしたら、少しは考えてやるよ。
「はいっ!ヨーグルトポムポム食べる人、この指とーまれ!」
放課後を迎えるなり、今日もハイテンションである。
…つーか、ヨーグルトポムポムって何だ?
…プリン?プリンみたいなもの?
ちらりと見てみたら、プリンではなく、普通のケーキみたいに見えた。
ふーん。そんな菓子があるのか…。
またあれか。『ヘンゼルとグレーテル』とかいう菓子屋で買ってきたんだろうか。
つーか、『ヘンゼルとグレーテル』も童話の名前じゃん。
駄目だな。最近、童話と名のつくものに敏感になっている。
仕方ないだろ?立て続けに、あんな目に遭わされたら。
全く、嫌な思い出だよ。
『白雪姫と七人の小人』なんか、特にな。
もう、二度とあんな目には遭いたくない…。
「はいっ!ちょっと!皆!誰か!この指とーまれって!誰かとまって!」
誰一人乗ってこないので、一人で焦っているシルナである。
勝手に食えよ。
「ヨーグルトポムポムだそうですよ、天音さん。どうします?」
「今、別にお腹空いてないからな…。…はい、ナジュ君の番」
「じゃあこれ…。おっと、外れですね。次は天音さんの番ですよ」
シルナを横目に、二人でトランプ遊びに興じるナジュと天音である。
どうやら、ババ抜きをしているようだが…。
…教師が放課後に、ババ抜きやって遊んでる暇あるのか?
いや、放課後にヨーグルトポムポムに夢中になってる学院長がいる学校だから。
もう、今更って感じだよ。
真面目なのはイレースだけだな。
「失礼ですね、羽久さん。僕も真面目ですよ。こんなに真面目にババ抜きやってる教師は、ルーデュニア聖王国広しと言えども僕くらい…」
「あーはいはいそうですねー」
真面目な教師はな、勝手に人の心を読んだりしないんだよ。
…そういえば。
「ナジュ相手にトランプゲームなんかやっても、何も面白くないだろ」
俺は、天音に向かってそう言った。
だって、ナジュにはご覧のとおり、厄介な読心魔法があるのだ。
カードゲームでもボードゲームでも、相手の心を読めるナジュは負け知らずのはず。
しかし。
「大丈夫。ナジュ君が引くときは、カードを全部シャッフルして、僕もどのカードが分からないようにしてるから」
あぁ、成程。
天音も知らないことなら、いかに読心魔法を使おうとも、無意味だからな。
「そこまでしなくても、たかがトランプゲームくらいで読心魔法を使ったりしませんよ」
と、ナジュ。
そうは言うけど、お前隙あらば人の心読むからな。
説得力ねーよ。
「僕はこんなに誠実だというのに、羽久さんは失礼ですねー」
誠実を名乗るなら、まずはその読心魔法癖をやめることだな。
そうしたら、少しは考えてやるよ。