神殺しのクロノスタシスⅤ〜前編〜
すると。
「誰か!ねぇ誰か乗ってきて!ポムポム!ヨーグルトポムポム食べよう!」
一人放置されているシルナが、うるさく喚いていた。
まだ言ってたのか…。
もう良いから、一人で食えば?いちいち誰かを待ってないで。
一人で食べるのは嫌なのかもしれない。寂しんぼかよ。
と、思っていると。
そんなシルナを、神様が憐れんでくれたのか。
「失礼しますよ」
ガチャッ、と学院長室の扉が開いた。
そこには、本日の書類の束を手にした、イーニシュフェルト魔導学院唯一の女性教師。
その名前は…もう言うまでもないな?
「あっ!イレースちゃん!あのね、今ヨーグルトポ、」
「この書類、明日までにお願いしますね」
「…せめて、最後まで話を聞いてよ…」
残念だったな。
イレース相手に、慈悲を期待するのが間違いだ。
それどころか。
イレースは、トランプで遊んでいるナジュと天音を、キッと睨んだ。
蛇に睨まれた蛙のように、天音はビクッとしていたが。
ナジュの方は素知らぬ顔。
「あなた方は何をやってるんです?…随分暇そうじゃないですか」
イレースの手にかかれば、生徒も教師も関係ないな。
「暇じゃありませんよ。ババ抜きに忙しいですから。僕達は今、超忙しくトランプで遊んでるんです。何ならイレースさんより忙しいと、」
「…丸焼きになりたいんですか?」
「…って、さっき天音さんが言ってました」
「えぇっ!?」
イレースに睨まれた途端、天音に責任を押し付けやがった。
これには天音もびっくり。
なんかこのやり取りも、常習化してきたな…。
天音にとっては、迷惑なとばっちりである。
やれやれ、全く仲良しな奴らだよ…。
「はい!はいはいはい!皆ヨーグルトポムポム食べよう!今切ってあげるから。折角教師皆揃ったんだから、皆で食べよー!」
ヨーグルトポムポムを諦めきれないシルナが、力強くそう宣言。
イレースは白い目で見ていたが、そんなことは当然、意に介さない。
「ふっふっふー。これはね、皆お馴染みの『ヘンゼルとグレーテル』から買ってきた、珍しいおか、あれ!?」
…あれ?
何故か、シルナはきょとんとしたまま固まってしまった。
「…どうしたんだよ?」
「お、おかしい…!ほら、見てこれ!」
シルナは、皿に乗せていたヨーグルトポムポムを見せてきた。
綺麗なホールケーキだったはずなのに、いつの間にか、何者かが一部を切りとって、なくなっていた。
…摘み食い疑惑、発生。
「誰か!ねぇ誰か乗ってきて!ポムポム!ヨーグルトポムポム食べよう!」
一人放置されているシルナが、うるさく喚いていた。
まだ言ってたのか…。
もう良いから、一人で食えば?いちいち誰かを待ってないで。
一人で食べるのは嫌なのかもしれない。寂しんぼかよ。
と、思っていると。
そんなシルナを、神様が憐れんでくれたのか。
「失礼しますよ」
ガチャッ、と学院長室の扉が開いた。
そこには、本日の書類の束を手にした、イーニシュフェルト魔導学院唯一の女性教師。
その名前は…もう言うまでもないな?
「あっ!イレースちゃん!あのね、今ヨーグルトポ、」
「この書類、明日までにお願いしますね」
「…せめて、最後まで話を聞いてよ…」
残念だったな。
イレース相手に、慈悲を期待するのが間違いだ。
それどころか。
イレースは、トランプで遊んでいるナジュと天音を、キッと睨んだ。
蛇に睨まれた蛙のように、天音はビクッとしていたが。
ナジュの方は素知らぬ顔。
「あなた方は何をやってるんです?…随分暇そうじゃないですか」
イレースの手にかかれば、生徒も教師も関係ないな。
「暇じゃありませんよ。ババ抜きに忙しいですから。僕達は今、超忙しくトランプで遊んでるんです。何ならイレースさんより忙しいと、」
「…丸焼きになりたいんですか?」
「…って、さっき天音さんが言ってました」
「えぇっ!?」
イレースに睨まれた途端、天音に責任を押し付けやがった。
これには天音もびっくり。
なんかこのやり取りも、常習化してきたな…。
天音にとっては、迷惑なとばっちりである。
やれやれ、全く仲良しな奴らだよ…。
「はい!はいはいはい!皆ヨーグルトポムポム食べよう!今切ってあげるから。折角教師皆揃ったんだから、皆で食べよー!」
ヨーグルトポムポムを諦めきれないシルナが、力強くそう宣言。
イレースは白い目で見ていたが、そんなことは当然、意に介さない。
「ふっふっふー。これはね、皆お馴染みの『ヘンゼルとグレーテル』から買ってきた、珍しいおか、あれ!?」
…あれ?
何故か、シルナはきょとんとしたまま固まってしまった。
「…どうしたんだよ?」
「お、おかしい…!ほら、見てこれ!」
シルナは、皿に乗せていたヨーグルトポムポムを見せてきた。
綺麗なホールケーキだったはずなのに、いつの間にか、何者かが一部を切りとって、なくなっていた。
…摘み食い疑惑、発生。