神殺しのクロノスタシスⅤ〜前編〜
…すると。
「開けてみないの?」
横で聞いていた令月とすぐりが、とてとてとこちらに歩み寄ってきた。
「開けたいのは山々だが、鍵がないと開けられないだろ?」
「え、何で?」
何でって、何がだよ。
鍵がかかってるんだぞ?蓋に、小さな南京錠がついている。
鍵を持っていない俺達が、開けられるはず…、
「羽久、それちょっと貸して」
「え?あ、うん…良いけど」
令月に促され、木箱を渡すと。
「よいしょ…っと」
令月は、懐からクリップを取り出し、先端を曲げて、南京錠の小さな鍵穴に突っ込んだ。
そのまま鍵穴を探ること、およそ5秒。
パチッと音がして、南京錠が床にこぼれ落ちた。
…マジで?
「お前…いつの間にそんな特技を…」
「これくらい、『アメノミコト』の暗殺者なら普通だよ」
あ、そうか…。
…そういや、窓の鍵だって平気で開けて入ってくるんだもんな。
今更、お前達に鍵開けのスキルがあることに驚くのは馬鹿馬鹿しいな。
「それに、僕はまだまだだよ。鍵開けは『八千歳』の方が上手だもん」
とのこと。
「…そうなのか?」
「まーね。鍵穴のあるものなら、何でも。鍵穴に糸を突っ込めば開けられるよ」
…いくら校舎内に鍵をかけても、好き勝手に出入りする訳だよ。
今度から、鍵だけじゃなくてトラップも仕掛けておこうぜ。
勝手に校舎の鍵開けたら、閃光弾が打ち上がるように。
そうでもしなきゃ、一向に侵入をやめないだろ。こいつらは。
まぁ、そこまでしても入ってきそうな気がするけど。
…で、今はそれよりも。
「何が入ってんだ?」
「えぇと…」
鍵付きの蓋をパカッと開けてみると、中に入っていたのは。
「…ガラスの、靴…?」
一同、頭を捻った。
何だこれは…。何でこんなものが。
透明なガラスの、ハイヒールの靴。
しかも、片方だけ。
これじゃあまるで、お伽噺に出てくる…。
「シルナ、これ、なん…」
「…ガラスの靴…?…!まさか!」
「え?」
シルナが、何かに気づいたそのときだった。
抵抗する術も、咄嗟に逃げ出す暇もなかった。
俺達のいる「空間」が、全く別の場所に転移した。
「開けてみないの?」
横で聞いていた令月とすぐりが、とてとてとこちらに歩み寄ってきた。
「開けたいのは山々だが、鍵がないと開けられないだろ?」
「え、何で?」
何でって、何がだよ。
鍵がかかってるんだぞ?蓋に、小さな南京錠がついている。
鍵を持っていない俺達が、開けられるはず…、
「羽久、それちょっと貸して」
「え?あ、うん…良いけど」
令月に促され、木箱を渡すと。
「よいしょ…っと」
令月は、懐からクリップを取り出し、先端を曲げて、南京錠の小さな鍵穴に突っ込んだ。
そのまま鍵穴を探ること、およそ5秒。
パチッと音がして、南京錠が床にこぼれ落ちた。
…マジで?
「お前…いつの間にそんな特技を…」
「これくらい、『アメノミコト』の暗殺者なら普通だよ」
あ、そうか…。
…そういや、窓の鍵だって平気で開けて入ってくるんだもんな。
今更、お前達に鍵開けのスキルがあることに驚くのは馬鹿馬鹿しいな。
「それに、僕はまだまだだよ。鍵開けは『八千歳』の方が上手だもん」
とのこと。
「…そうなのか?」
「まーね。鍵穴のあるものなら、何でも。鍵穴に糸を突っ込めば開けられるよ」
…いくら校舎内に鍵をかけても、好き勝手に出入りする訳だよ。
今度から、鍵だけじゃなくてトラップも仕掛けておこうぜ。
勝手に校舎の鍵開けたら、閃光弾が打ち上がるように。
そうでもしなきゃ、一向に侵入をやめないだろ。こいつらは。
まぁ、そこまでしても入ってきそうな気がするけど。
…で、今はそれよりも。
「何が入ってんだ?」
「えぇと…」
鍵付きの蓋をパカッと開けてみると、中に入っていたのは。
「…ガラスの、靴…?」
一同、頭を捻った。
何だこれは…。何でこんなものが。
透明なガラスの、ハイヒールの靴。
しかも、片方だけ。
これじゃあまるで、お伽噺に出てくる…。
「シルナ、これ、なん…」
「…ガラスの靴…?…!まさか!」
「え?」
シルナが、何かに気づいたそのときだった。
抵抗する術も、咄嗟に逃げ出す暇もなかった。
俺達のいる「空間」が、全く別の場所に転移した。