神殺しのクロノスタシスⅤ〜前編〜
「何だよ?厄介な条件ってのは」
「ゆっくり說明してあげたいんだけど…残念ながら、そんな時間はないんだ」
何?
「私達がここに送られた時点で、『制限時間』はもう始まってる。深夜12時までに、ガラスの靴を見つけなきゃならない」
…は?
何だか、本当に厄介なことを言い始めてるぞ。
何だよ。制限時間って…。
「『シンデレラ』は宝探し。すなわち…この世界の何処かに隠されたガラスの靴を探し出し…『シンデレラ』を見つけなきゃならないんだ。深夜の12時までに」
シルナはそう説明した。
…えぇと、よく分からないが。
つまり…。
「日付が変わるまでに、この世界の何処かに隠されたガラスの靴を、手分けして探さないといけないってことですよね?」
シルナの心を読んで、いち早く事情を理解したナジュが、分かりやすくそう説明した。
「そう。今すぐ動かなきゃならない。ガラスの靴を探しに…」
…宝探しって、そういうことかよ。
ガラスの靴ってのは、ここに来る前に俺達が見た、あの木箱に入ってたガラスの靴のことだよな。
この世界に飛ばされたとき、何処かに消えたものと思っていたが…。
あの靴は、この世界の何処かに隠されていて。
それを、日付が変わるまでに見つけ出さなきゃならない、と…。
成程、それは宝探しだな。
ガラスの靴が宝だとは、俺には到底思えないが。
「この世界の何処かに…ガラスの靴が…」
「何処にあるんです、それは。ノーヒントですか?」
「うん、ノーヒント…。この異空間の中にあるのは確かだけど」
成程、学院の外の景色が空っぽなのは、それが理由か。
学院の外までもが捜索範囲に含まれたら、さすがにお手上げだもんな。
学院の敷地内だけなら、まだ何とか…。
…って、何とかなるのか?
俺達は七人揃っているとはいえ、イーニシュフェルト魔導学院の敷地は、決して狭くない。
たった七人で探し回るには、手数が足りないぞ。
…手数…。
「…シルナ、お前分身は?作れないのか?」
手っ取り早く「手数」を増やそうと思ったら、こんなときこそ、シルナの分身魔法が役に立つ。
虫でも人でも何でも良いから、シルナの分身を増やしまくって、捜索する「手数」を量産すれば…。
案外、ガラスの靴なんてすぐに見つかるのでは?
…しかし。
「…駄目だね。分身魔法が使えない。…杖に全く手応えがない」
杖を手にしたシルナは、落胆したように頭を振った。
使えない、だと?
「でも、ナジュの悪趣味な読心魔法は使えるんだよな?」
さっき読んでたもんな?
「悪趣味な、は余計ですけど…。僕の読心魔法は使えますね」
…だよ、な?
「イレース、お前いつもの雷魔法は使えるか?」
「…使えるようですね。誰かを丸焼きにしたいなら、いつでも」
イレースは杖を手に、バチバチと雷を迸らせていた。
自分で聞いておいてアレだが、イレースに確認しなきゃ良かった。
「ゆっくり說明してあげたいんだけど…残念ながら、そんな時間はないんだ」
何?
「私達がここに送られた時点で、『制限時間』はもう始まってる。深夜12時までに、ガラスの靴を見つけなきゃならない」
…は?
何だか、本当に厄介なことを言い始めてるぞ。
何だよ。制限時間って…。
「『シンデレラ』は宝探し。すなわち…この世界の何処かに隠されたガラスの靴を探し出し…『シンデレラ』を見つけなきゃならないんだ。深夜の12時までに」
シルナはそう説明した。
…えぇと、よく分からないが。
つまり…。
「日付が変わるまでに、この世界の何処かに隠されたガラスの靴を、手分けして探さないといけないってことですよね?」
シルナの心を読んで、いち早く事情を理解したナジュが、分かりやすくそう説明した。
「そう。今すぐ動かなきゃならない。ガラスの靴を探しに…」
…宝探しって、そういうことかよ。
ガラスの靴ってのは、ここに来る前に俺達が見た、あの木箱に入ってたガラスの靴のことだよな。
この世界に飛ばされたとき、何処かに消えたものと思っていたが…。
あの靴は、この世界の何処かに隠されていて。
それを、日付が変わるまでに見つけ出さなきゃならない、と…。
成程、それは宝探しだな。
ガラスの靴が宝だとは、俺には到底思えないが。
「この世界の何処かに…ガラスの靴が…」
「何処にあるんです、それは。ノーヒントですか?」
「うん、ノーヒント…。この異空間の中にあるのは確かだけど」
成程、学院の外の景色が空っぽなのは、それが理由か。
学院の外までもが捜索範囲に含まれたら、さすがにお手上げだもんな。
学院の敷地内だけなら、まだ何とか…。
…って、何とかなるのか?
俺達は七人揃っているとはいえ、イーニシュフェルト魔導学院の敷地は、決して狭くない。
たった七人で探し回るには、手数が足りないぞ。
…手数…。
「…シルナ、お前分身は?作れないのか?」
手っ取り早く「手数」を増やそうと思ったら、こんなときこそ、シルナの分身魔法が役に立つ。
虫でも人でも何でも良いから、シルナの分身を増やしまくって、捜索する「手数」を量産すれば…。
案外、ガラスの靴なんてすぐに見つかるのでは?
…しかし。
「…駄目だね。分身魔法が使えない。…杖に全く手応えがない」
杖を手にしたシルナは、落胆したように頭を振った。
使えない、だと?
「でも、ナジュの悪趣味な読心魔法は使えるんだよな?」
さっき読んでたもんな?
「悪趣味な、は余計ですけど…。僕の読心魔法は使えますね」
…だよ、な?
「イレース、お前いつもの雷魔法は使えるか?」
「…使えるようですね。誰かを丸焼きにしたいなら、いつでも」
イレースは杖を手に、バチバチと雷を迸らせていた。
自分で聞いておいてアレだが、イレースに確認しなきゃ良かった。