神殺しのクロノスタシスⅤ〜前編〜
ナジュの読心魔法は使える。イレースの雷魔法も。
それなのに、シルナの分身魔法は使えないって…。
…更に。
「捜し物なら、『八千歳』は得意だよね」
「うん。糸魔法を張り巡らせれば、俺に見つけられないものはないね」
令月とすぐりが言った。
あ、そうか…。
『サンクチュアリ』によって、学院に爆弾が仕掛けられたとき。
あのとき、すぐりが糸魔法で、学院の敷地内を総ざらいしてくれたんだったよな。
あのときと同じ手段を使えば、ガラスの靴なんて簡単に見つけられそうなものだが…。
「…ん…?」
糸を張り巡らせようとしたすぐりは、途中で手を止めた。
「『八千歳』、どうしたの?」
「…駄目だ。糸魔法が使えない」
何だと?
「使えない?」
「うん。糸自体は出せるんだけど…これをいつも通り張り巡らせようとすると、出来ないね。…何て言うか、世界に拒まれてるって感じ?」
世界に拒まれる…。
「『八千代』は?君の力魔法は使えるの?」
「僕の力魔法は…。…うん、使えるみたい」
「ふーん。『八千代』が使えて僕が使えないって、なんかいつもとは逆だねー」
…全くだな。
今ばかりは、笑えない冗談だ。
一体どうなってる?
賢者の石の異次元世界では、どんな魔法も一切使えなかった。
でもこの世界は…使える魔法と、使えない魔法があるようだ。
「僕の回復魔法は…。…使えるみたいだ。羽久さん、君の時魔法はどう?」
天音は杖を握って、自分の回復魔法が使えることを確認し。
俺にも、自分の魔法を確認するよう促した。
あ、そうか…俺も。
「羽久の時魔法が使えたら、凄く便利だね」
「ほんとだ。世界の時間を遅らせて、制限時間を無限に稼げば良いじゃん」
と、令月とすぐりが言った。
お前らな。
確かにその通りだけど、異次元空間の時間を遅らせるなんて、そんなに簡単じゃないんだぞ。
まぁ、いざとなったら、それも手だが…。
俺は杖を取り出して、得意の時魔法を発動させた。
…しかし。
それなのに、シルナの分身魔法は使えないって…。
…更に。
「捜し物なら、『八千歳』は得意だよね」
「うん。糸魔法を張り巡らせれば、俺に見つけられないものはないね」
令月とすぐりが言った。
あ、そうか…。
『サンクチュアリ』によって、学院に爆弾が仕掛けられたとき。
あのとき、すぐりが糸魔法で、学院の敷地内を総ざらいしてくれたんだったよな。
あのときと同じ手段を使えば、ガラスの靴なんて簡単に見つけられそうなものだが…。
「…ん…?」
糸を張り巡らせようとしたすぐりは、途中で手を止めた。
「『八千歳』、どうしたの?」
「…駄目だ。糸魔法が使えない」
何だと?
「使えない?」
「うん。糸自体は出せるんだけど…これをいつも通り張り巡らせようとすると、出来ないね。…何て言うか、世界に拒まれてるって感じ?」
世界に拒まれる…。
「『八千代』は?君の力魔法は使えるの?」
「僕の力魔法は…。…うん、使えるみたい」
「ふーん。『八千代』が使えて僕が使えないって、なんかいつもとは逆だねー」
…全くだな。
今ばかりは、笑えない冗談だ。
一体どうなってる?
賢者の石の異次元世界では、どんな魔法も一切使えなかった。
でもこの世界は…使える魔法と、使えない魔法があるようだ。
「僕の回復魔法は…。…使えるみたいだ。羽久さん、君の時魔法はどう?」
天音は杖を握って、自分の回復魔法が使えることを確認し。
俺にも、自分の魔法を確認するよう促した。
あ、そうか…俺も。
「羽久の時魔法が使えたら、凄く便利だね」
「ほんとだ。世界の時間を遅らせて、制限時間を無限に稼げば良いじゃん」
と、令月とすぐりが言った。
お前らな。
確かにその通りだけど、異次元空間の時間を遅らせるなんて、そんなに簡単じゃないんだぞ。
まぁ、いざとなったら、それも手だが…。
俺は杖を取り出して、得意の時魔法を発動させた。
…しかし。