神殺しのクロノスタシスⅤ〜前編〜
「…!…使えない…」
すぐりの言う、世界に拒まれてる、の意味が分かった。
本当に、世界に拒まれているかのようだ。
言葉を発しようとしているのに、無理矢理口を塞がれるような気分。
発動の直前に、魔力に蓋をされてしまっているようだ。
抗って、無理矢理発動させられない…こともないのかもしれないが。
残念ながら、今はそれも出来なさそうだ。
…一体、どういうことだ?
俺達にとって、有利に働く…便利な魔法が、軒並み使えない。
一方で、今この状況で、特に役に立ちそうもない魔法はいつも通り使える。
これじゃあ、まるで…。
「どうやら、使える魔法を制限されているようですね。『シンデレラ』の課すルールを捻じ曲げるような魔法は、使えないことになってるんでしょう」
イレースはそう結論づけた。
…そのようだ。
あくまで、自分達の足で走り回って、自分達の目で見つけろと。
そういうことなんだろう。
…ったく…魔導師である利点を、全く活かせないとはな。
本当にこれ、イーニシュフェルトの里で作られた魔法道具なのかよ?
つくづく思うが、こんな玩具で遊ばせるんじゃねぇよ。
教育に悪いと思う。
「…じゃ、自力で探すしかないってことですね」
「うわー。不便だな〜」
「僕は元々、力魔法しか使えないから、いつも通りだけどね」
令月だけだな。魔法を制限されたことによって、何の被害も被らないのは。
「…あの、学院長先生。一つ確認しておきたいんですけど」
天音が挙手をして、シルナに尋ねた。
「…何かな?」
「深夜12時までに…って言ってましたけど、もし制限時間までにガラスの靴が見つからなかったら…そのときは、どうなるんですか?」
…良い質問だ。
…そして、嫌な質問だ。
何だかろくでもない予感がするから、出来れば聞きたくなかったのだが。
でも、聞かずにおくのも、それはそれで怖いだろう。
制限時間に間に合わなかったら、どうなるんだ?
シルナの硬い表情を見るに、良いことは起きなさそうだな。
「もし、日付が変わるまでにガラスの靴が見つからなかったら…。…『シンデレラ』魔法は解け、世界は消えてしまう」
「…つまり、どうなるんだ?」
「私達は、この世界に閉じ込められたまま…ガラスの靴と一緒に、消滅してしまうことになる」
…。
…ほらな、言ったろ?ろくでもないことになるってさ。
シルナが珍しく、やけに焦ってる訳だよ。
やっぱり、聞かなきゃ良かった。
すぐりの言う、世界に拒まれてる、の意味が分かった。
本当に、世界に拒まれているかのようだ。
言葉を発しようとしているのに、無理矢理口を塞がれるような気分。
発動の直前に、魔力に蓋をされてしまっているようだ。
抗って、無理矢理発動させられない…こともないのかもしれないが。
残念ながら、今はそれも出来なさそうだ。
…一体、どういうことだ?
俺達にとって、有利に働く…便利な魔法が、軒並み使えない。
一方で、今この状況で、特に役に立ちそうもない魔法はいつも通り使える。
これじゃあ、まるで…。
「どうやら、使える魔法を制限されているようですね。『シンデレラ』の課すルールを捻じ曲げるような魔法は、使えないことになってるんでしょう」
イレースはそう結論づけた。
…そのようだ。
あくまで、自分達の足で走り回って、自分達の目で見つけろと。
そういうことなんだろう。
…ったく…魔導師である利点を、全く活かせないとはな。
本当にこれ、イーニシュフェルトの里で作られた魔法道具なのかよ?
つくづく思うが、こんな玩具で遊ばせるんじゃねぇよ。
教育に悪いと思う。
「…じゃ、自力で探すしかないってことですね」
「うわー。不便だな〜」
「僕は元々、力魔法しか使えないから、いつも通りだけどね」
令月だけだな。魔法を制限されたことによって、何の被害も被らないのは。
「…あの、学院長先生。一つ確認しておきたいんですけど」
天音が挙手をして、シルナに尋ねた。
「…何かな?」
「深夜12時までに…って言ってましたけど、もし制限時間までにガラスの靴が見つからなかったら…そのときは、どうなるんですか?」
…良い質問だ。
…そして、嫌な質問だ。
何だかろくでもない予感がするから、出来れば聞きたくなかったのだが。
でも、聞かずにおくのも、それはそれで怖いだろう。
制限時間に間に合わなかったら、どうなるんだ?
シルナの硬い表情を見るに、良いことは起きなさそうだな。
「もし、日付が変わるまでにガラスの靴が見つからなかったら…。…『シンデレラ』魔法は解け、世界は消えてしまう」
「…つまり、どうなるんだ?」
「私達は、この世界に閉じ込められたまま…ガラスの靴と一緒に、消滅してしまうことになる」
…。
…ほらな、言ったろ?ろくでもないことになるってさ。
シルナが珍しく、やけに焦ってる訳だよ。
やっぱり、聞かなきゃ良かった。