神殺しのクロノスタシスⅤ〜前編〜
Ⅸ〜後編〜
俺達七人は学院長室を出て、学院内を手分けして探し始めた。
学院内の景色は、俺達の記憶にあるものと何も変わらない。
まるで、元の世界のイーニシュフェルト魔導学院そのままだ。
しかし、どんなに元の世界にそっくりでも、この世界は偽物だ。
生徒が一人もいない、空っぽの学院。
こんなの、俺達の知るイーニシュフェルト魔導学院ではない。
そして、窓の外の景色。
学院の敷地の外は、真っ白な空間が広がっているだけだった。
空っぽの学院に、白い景色。
気持ち悪いことこの上ない。
こんな世界に一生閉じ込められるなんて、死んでも御免だ。
ましてや幽霊になるなんて、とんでもない。
何が何でも、ガラスの靴を見つけなければ。
突然の超展開に、困惑している暇はない。
とにかく、制限時間までにガラスの靴を探すのだ。
「ものを隠せそうな場所、って…何処だ…?」
まさか、親切に机の上に置いてある訳じゃなかろう。
ロッカーの中とか?
学院内に、ロッカーがいくつあると思ってるんだよ。
その中を、一つずつ開けて探すのか?
…冗談だろ。
…でも、冗談ではない。
やらなければ、自分のみならず、仲間の命まで危険に晒すのだ。
手間を惜しんでいる場合じゃない。
「くそっ…。やるしかないか…」
俺は、片っ端から教室を巡り。
ロッカーを一つずつ開け、そして机の引き出しの中を探った。
頭おかしくなりそうな作業である。
しかも、ロッカーの中や引き出しの中には、生徒の私物が入ったままになっているのだ。
生徒の私物に紛れて、ガラスの靴が隠されている可能性だってある。
従って、俺はロッカーを開ける度、引き出しを開ける度に、生徒の私物を引っ張り出して、中を探らなければならなかった。
生徒に申し訳ないが、今はそんなことは言っていられなかった。
教師に見られたくないものだってあるよな、ごめんな。
でも、今は緊急事態なんだよ。許してくれ。
…こっそり、煙草とか入ってたらどうしよう?
それはそれで、別の問題が生じるな。
怪しいものが何も出てこないことを祈りつつ、俺は片っ端からロッカーや引き出しを漁った。
…すると。
「…あ?」
二つ目に入った教室の、ロッカーの中に。
何やら、見覚えのある木箱を見つけた。
学院内の景色は、俺達の記憶にあるものと何も変わらない。
まるで、元の世界のイーニシュフェルト魔導学院そのままだ。
しかし、どんなに元の世界にそっくりでも、この世界は偽物だ。
生徒が一人もいない、空っぽの学院。
こんなの、俺達の知るイーニシュフェルト魔導学院ではない。
そして、窓の外の景色。
学院の敷地の外は、真っ白な空間が広がっているだけだった。
空っぽの学院に、白い景色。
気持ち悪いことこの上ない。
こんな世界に一生閉じ込められるなんて、死んでも御免だ。
ましてや幽霊になるなんて、とんでもない。
何が何でも、ガラスの靴を見つけなければ。
突然の超展開に、困惑している暇はない。
とにかく、制限時間までにガラスの靴を探すのだ。
「ものを隠せそうな場所、って…何処だ…?」
まさか、親切に机の上に置いてある訳じゃなかろう。
ロッカーの中とか?
学院内に、ロッカーがいくつあると思ってるんだよ。
その中を、一つずつ開けて探すのか?
…冗談だろ。
…でも、冗談ではない。
やらなければ、自分のみならず、仲間の命まで危険に晒すのだ。
手間を惜しんでいる場合じゃない。
「くそっ…。やるしかないか…」
俺は、片っ端から教室を巡り。
ロッカーを一つずつ開け、そして机の引き出しの中を探った。
頭おかしくなりそうな作業である。
しかも、ロッカーの中や引き出しの中には、生徒の私物が入ったままになっているのだ。
生徒の私物に紛れて、ガラスの靴が隠されている可能性だってある。
従って、俺はロッカーを開ける度、引き出しを開ける度に、生徒の私物を引っ張り出して、中を探らなければならなかった。
生徒に申し訳ないが、今はそんなことは言っていられなかった。
教師に見られたくないものだってあるよな、ごめんな。
でも、今は緊急事態なんだよ。許してくれ。
…こっそり、煙草とか入ってたらどうしよう?
それはそれで、別の問題が生じるな。
怪しいものが何も出てこないことを祈りつつ、俺は片っ端からロッカーや引き出しを漁った。
…すると。
「…あ?」
二つ目に入った教室の、ロッカーの中に。
何やら、見覚えのある木箱を見つけた。