神殺しのクロノスタシスⅤ〜前編〜
「あそこに…多分…」
ガラスの靴が…あるいは…。
ガラスの靴の在処を示す、ヒントが…あるのではないか、と。
そう思ってしまうのは、自分に都合の良い希望的観測をしているだけなのかもしれない。
が、俺だって、もうあと何分も持たない。
正直、次の瞬間には集中力が途切れそう。
今、何分だ?
もう10分なんか通り越して、軽く一時間は経ってるような気がする。
そんなはずはないのに。
「ここに…!」
シルナはショーケースに駆け寄り、ガラスを粉々に砕いた。
ここまで焦っているシルナは、なかなか珍しい。
青い薔薇のブローチの代わりに、自分が学院のエンブレムですと言わんばかりに、偉そうに鎮座するかぼちゃを持ち上げ。
「ふっ…。…えいっ!」
シルナはかぼちゃを振り上げて、思いっきり床に叩きつけた。
かぼちゃになんてことを、と思うかもしれないが。
そのかぼちゃは、本物ではなかった。
どうやら、ガラスで出来ていたらしく。
床に叩きつけると、甲高い音がして粉々に砕けた。
ガラスの靴のみならず、ガラスのかぼちゃとは…。
シンデレラの奴、どんな趣味をしてるんだ…。
…と、思ったそのとき。
砕けたかぼちゃの中から、鍵付きの木箱が転がり出た。
「…!」
誰もが、その木箱に釘付けになった。
…あれは、まさか。
あれこそが、本物の…。
…そう、思ったとき。
「…ぐっ…!」
安心して、気が抜けてしまったのか。
ガラスのかぼちゃに気を取られて、集中力が途切れてしまったのか。
視界が狭窄し、世界を止めていた時魔法がぐらついた。
…不味い。途切れる。
「…シルナ…!早く…」
「…!分かった!」
シルナが木箱を開け、ガラスの靴を見つけるのが先か。
俺の時魔法が解け、制限時間を迎えるのが先か。
正直、俺には分からなかった。
ガラスの靴が…あるいは…。
ガラスの靴の在処を示す、ヒントが…あるのではないか、と。
そう思ってしまうのは、自分に都合の良い希望的観測をしているだけなのかもしれない。
が、俺だって、もうあと何分も持たない。
正直、次の瞬間には集中力が途切れそう。
今、何分だ?
もう10分なんか通り越して、軽く一時間は経ってるような気がする。
そんなはずはないのに。
「ここに…!」
シルナはショーケースに駆け寄り、ガラスを粉々に砕いた。
ここまで焦っているシルナは、なかなか珍しい。
青い薔薇のブローチの代わりに、自分が学院のエンブレムですと言わんばかりに、偉そうに鎮座するかぼちゃを持ち上げ。
「ふっ…。…えいっ!」
シルナはかぼちゃを振り上げて、思いっきり床に叩きつけた。
かぼちゃになんてことを、と思うかもしれないが。
そのかぼちゃは、本物ではなかった。
どうやら、ガラスで出来ていたらしく。
床に叩きつけると、甲高い音がして粉々に砕けた。
ガラスの靴のみならず、ガラスのかぼちゃとは…。
シンデレラの奴、どんな趣味をしてるんだ…。
…と、思ったそのとき。
砕けたかぼちゃの中から、鍵付きの木箱が転がり出た。
「…!」
誰もが、その木箱に釘付けになった。
…あれは、まさか。
あれこそが、本物の…。
…そう、思ったとき。
「…ぐっ…!」
安心して、気が抜けてしまったのか。
ガラスのかぼちゃに気を取られて、集中力が途切れてしまったのか。
視界が狭窄し、世界を止めていた時魔法がぐらついた。
…不味い。途切れる。
「…シルナ…!早く…」
「…!分かった!」
シルナが木箱を開け、ガラスの靴を見つけるのが先か。
俺の時魔法が解け、制限時間を迎えるのが先か。
正直、俺には分からなかった。