神殺しのクロノスタシスⅤ〜前編〜
「ミミズを食うな。これは食べ物じゃない」
「そんなことないよ。茹でて干して、塩かけて食べたら美味しいよ?」
何の食リポだよ?
とにかく、気持ち悪いからやめろ。
…ん?
そういえばベリクリーデの奴、さっき。
「余ったら」って言ってたよな?
ってことは、別の用途にこのミミズを使う予定がある、ということか?
「…お前、これ…何に使うんだ?」
「エサ」
エサ?
「このミミズ持って、魚釣りに行くんだよ。折角なら新鮮なエサの方が、お魚も食い付くかなぁって思って」
という、ベリクリーデの説明でようやく状況を理解した。
成程、魚釣りな?
確かに、魚釣りには生き餌の方が良いだろう。
ミミズをエサに魚釣りって、まぁまぁ定番だもんな。
その為に、わざわざ雨に濡れながらミミズを集めてたんだな。
成程、よく分かりました。
分かったけど、同意はしないぞ。
ミミズが欲しかったのは分かるが、花壇に入るんじゃない。
「あ、こっちにもいた。にょろ〜」
「おい、こら」
小石を持ち上げ、その下にいたミミズを、ベリクリーデは泥まみれの手で鷲掴み。
ぽいっとバケツに放り込んで、ご満悦の様子である。
…やれやれだよ、全く。
「よし、もうこれくらいで良いかな」
「…あぁ…。いい加減、隊舎の中に入れ。お前びしょ濡れだぞ」
一回、シャワー浴びてきた方が良いんじゃね?
「でも、この後魚釣りに行くんだもん」
「魚釣りって、お前…。…何を釣るんだよ?」
「マグロ」
そりゃ大きく出たな。
「あと、大トロを釣るんだー」
大トロはマグロだ。
「それから…ジュリスは何のお魚が好き?」
「は?」
「ジュリスが好きなお魚、釣る」
…。
「強いて言うなら…フグかな。フグ刺しとか…」
「じゃあ、それ釣る」
「やめとけ」
あれ毒あるからな。毒。
フグ毒は洒落にならないから、不用意に触るんじゃない。
あと、例え釣ったとしても、免許がないと捌けないぞ。
…それよりも。
「お前、釣りって…何でまたいきなり、そんなことに興味を持ったんだよ?」
何となく察しているが、一応尋ねてみた。
すると。
「本を読んだんだ」
…成程。やはりか。
ベリクリーデに余計な入れ知恵をしたのは、間違いなく…。
「『猿でも分かる!初心者の魚釣り』みたいなタイトルの本だな?」
「凄い。ジュリス、何で分かるの?ジュリスも読んだことあるの?」
「ないけど、そんなことだろうと思ったんだよ」
いつものパターンだからな。
お前、あのシリーズ読むのやめろって、何回も言ってるだろ。
何処から本を調達してくるんだ。
…で、ベリクリーデは、何処かから持ってきた魚釣りの本を見つけて。
その本に触発されて、ミミズを生き餌に、魚釣りを始める気になったんだな?
好奇心旺盛で、そこはベリクリーデの長所だと思うんだが。
何でも見切り発車で始めるのは、大きな欠点でもある。
「そんなことないよ。茹でて干して、塩かけて食べたら美味しいよ?」
何の食リポだよ?
とにかく、気持ち悪いからやめろ。
…ん?
そういえばベリクリーデの奴、さっき。
「余ったら」って言ってたよな?
ってことは、別の用途にこのミミズを使う予定がある、ということか?
「…お前、これ…何に使うんだ?」
「エサ」
エサ?
「このミミズ持って、魚釣りに行くんだよ。折角なら新鮮なエサの方が、お魚も食い付くかなぁって思って」
という、ベリクリーデの説明でようやく状況を理解した。
成程、魚釣りな?
確かに、魚釣りには生き餌の方が良いだろう。
ミミズをエサに魚釣りって、まぁまぁ定番だもんな。
その為に、わざわざ雨に濡れながらミミズを集めてたんだな。
成程、よく分かりました。
分かったけど、同意はしないぞ。
ミミズが欲しかったのは分かるが、花壇に入るんじゃない。
「あ、こっちにもいた。にょろ〜」
「おい、こら」
小石を持ち上げ、その下にいたミミズを、ベリクリーデは泥まみれの手で鷲掴み。
ぽいっとバケツに放り込んで、ご満悦の様子である。
…やれやれだよ、全く。
「よし、もうこれくらいで良いかな」
「…あぁ…。いい加減、隊舎の中に入れ。お前びしょ濡れだぞ」
一回、シャワー浴びてきた方が良いんじゃね?
「でも、この後魚釣りに行くんだもん」
「魚釣りって、お前…。…何を釣るんだよ?」
「マグロ」
そりゃ大きく出たな。
「あと、大トロを釣るんだー」
大トロはマグロだ。
「それから…ジュリスは何のお魚が好き?」
「は?」
「ジュリスが好きなお魚、釣る」
…。
「強いて言うなら…フグかな。フグ刺しとか…」
「じゃあ、それ釣る」
「やめとけ」
あれ毒あるからな。毒。
フグ毒は洒落にならないから、不用意に触るんじゃない。
あと、例え釣ったとしても、免許がないと捌けないぞ。
…それよりも。
「お前、釣りって…何でまたいきなり、そんなことに興味を持ったんだよ?」
何となく察しているが、一応尋ねてみた。
すると。
「本を読んだんだ」
…成程。やはりか。
ベリクリーデに余計な入れ知恵をしたのは、間違いなく…。
「『猿でも分かる!初心者の魚釣り』みたいなタイトルの本だな?」
「凄い。ジュリス、何で分かるの?ジュリスも読んだことあるの?」
「ないけど、そんなことだろうと思ったんだよ」
いつものパターンだからな。
お前、あのシリーズ読むのやめろって、何回も言ってるだろ。
何処から本を調達してくるんだ。
…で、ベリクリーデは、何処かから持ってきた魚釣りの本を見つけて。
その本に触発されて、ミミズを生き餌に、魚釣りを始める気になったんだな?
好奇心旺盛で、そこはベリクリーデの長所だと思うんだが。
何でも見切り発車で始めるのは、大きな欠点でもある。