神殺しのクロノスタシスⅤ〜前編〜
何事もなかったのは、その日の夜だけではなかった。
翌日の夜は、天音とナジュに深夜パトロールしてもらったのだが。
結局、何もなかったらしい。
あまりに何もなくて、暇を持て余したナジュは、途中から稽古場の椅子に座って、眠りこけていたそうな。
天音一人が、律儀に朝まで起きていたそうだ。
幽霊が出るかもしれない場所で、よくぐーすか眠れるもんだ。
でも、幽霊が出るという噂とは裏腹に、驚くほど何もないのだから。
そりゃあ、眠くなってくるのも当然だ。
寝ずの当番を始めて三回目の夜には、とうとうシルナでさえ、夜間巡回に慣れてしまったらしく。
呑気な顔して、「深夜のチョコパーティー」と称して、持参したチョコレート菓子を貪っていた。
あれだけびびってた癖に、何も出てこないと見るや、これだからな。
全く現金な奴だよ。
ともかく、幽霊が出てこないのは良いことだ。
やっぱりあれはデマだったんだ、単なる噂だったんだ、と安心した。
イレースも全校集会で、「下らない噂が流れているようですが、あんなものはデマです。私がこの目で確認しました。下らない噂話に花を咲かせている暇があったら、勉強しなさい」と一喝していた。
身も蓋もない。
これは、生徒達もかなり痛烈な一撃だったらしく。
その全校集会を境に、放課後の校舎に、ポツポツと生徒達が戻ってくるようになった。
やれやれ。一件落着だな。
しばらくすれば、完全に噂も消え。
以前のイーニシュフェルト魔導学院が戻ってくるだろう。
…と、思っていた矢先のことだった。
翌日の夜は、天音とナジュに深夜パトロールしてもらったのだが。
結局、何もなかったらしい。
あまりに何もなくて、暇を持て余したナジュは、途中から稽古場の椅子に座って、眠りこけていたそうな。
天音一人が、律儀に朝まで起きていたそうだ。
幽霊が出るかもしれない場所で、よくぐーすか眠れるもんだ。
でも、幽霊が出るという噂とは裏腹に、驚くほど何もないのだから。
そりゃあ、眠くなってくるのも当然だ。
寝ずの当番を始めて三回目の夜には、とうとうシルナでさえ、夜間巡回に慣れてしまったらしく。
呑気な顔して、「深夜のチョコパーティー」と称して、持参したチョコレート菓子を貪っていた。
あれだけびびってた癖に、何も出てこないと見るや、これだからな。
全く現金な奴だよ。
ともかく、幽霊が出てこないのは良いことだ。
やっぱりあれはデマだったんだ、単なる噂だったんだ、と安心した。
イレースも全校集会で、「下らない噂が流れているようですが、あんなものはデマです。私がこの目で確認しました。下らない噂話に花を咲かせている暇があったら、勉強しなさい」と一喝していた。
身も蓋もない。
これは、生徒達もかなり痛烈な一撃だったらしく。
その全校集会を境に、放課後の校舎に、ポツポツと生徒達が戻ってくるようになった。
やれやれ。一件落着だな。
しばらくすれば、完全に噂も消え。
以前のイーニシュフェルト魔導学院が戻ってくるだろう。
…と、思っていた矢先のことだった。