神殺しのクロノスタシスⅤ〜前編〜
案の定、稽古場に怪しい人影は認められなかった。
ま、そりゃそうだ。
ツキナも安心したのか、緊張を解いて掃除用具入れの点検を始めた。
しっかし、稽古場にも掃除用具入れなんてあるんだなー。
どの学年が掃除してんだろ?
稽古場って、広いし、精密な魔導人形とかもあるから。
俺達みたいな低学年じゃなくて、高学年の先輩達が掃除してるのかもね。
さて、それはともかく点検だよ。
「えーと、稽古場の掃除用具は…ホウキが6本と、モップも6本、雑巾が5枚、ちりとりが2つだから…」
ツキナは、クリップボードを確認しながら言った。
「モップって、このオオゲジみたいなもじゃもじゃのホウキだよね。6本あるよ」
「雑巾も…5枚あるね。どれもまだ綺麗だよ」
『八千代』と俺が、それぞれ確認した。
「ちりとりも2つあるよ」
じゃ、あとはホウキが…6本だっけ?
「えぇと…1、2、3、4、5、6…7本?」
ん?
ツキナは、指差ししながらホウキの数を数えていた。
今、7って言った?
「6本じゃなかったの?」
「そのはずなんだけど…。あれ?7本ある…?」
と、首を傾げるツキナ。
一本足りないならまだ分かるけど、一本多いのは、どうしたことか。
何処から紛れ込んだんだろう?
ツキナに言われて、俺と『八千代』もホウキの数を数え直す。
1、2、3…。…本当だ、7本ある。
一本多い。
「おかしいなぁ。何処のホウキだろう?隣の第二稽古場かな?」
「どーだろ?第二稽古場の方も点検しにいっ、」
…と、言いかけたそのときだった。
掃除用具入れに入っていた、一本のホウキが。
突如として、痙攣でもするかのように震え出した。
「っ!ツキナ!!」
「ほぇ?」
俺は咄嗟にツキナの身体を突き飛ばすようにして、稽古場の床に伏せた。
次の瞬間、丁度ツキナが立っていた場所を。
例のホウキが、凄まじい勢いで通り過ぎていった。
ま、そりゃそうだ。
ツキナも安心したのか、緊張を解いて掃除用具入れの点検を始めた。
しっかし、稽古場にも掃除用具入れなんてあるんだなー。
どの学年が掃除してんだろ?
稽古場って、広いし、精密な魔導人形とかもあるから。
俺達みたいな低学年じゃなくて、高学年の先輩達が掃除してるのかもね。
さて、それはともかく点検だよ。
「えーと、稽古場の掃除用具は…ホウキが6本と、モップも6本、雑巾が5枚、ちりとりが2つだから…」
ツキナは、クリップボードを確認しながら言った。
「モップって、このオオゲジみたいなもじゃもじゃのホウキだよね。6本あるよ」
「雑巾も…5枚あるね。どれもまだ綺麗だよ」
『八千代』と俺が、それぞれ確認した。
「ちりとりも2つあるよ」
じゃ、あとはホウキが…6本だっけ?
「えぇと…1、2、3、4、5、6…7本?」
ん?
ツキナは、指差ししながらホウキの数を数えていた。
今、7って言った?
「6本じゃなかったの?」
「そのはずなんだけど…。あれ?7本ある…?」
と、首を傾げるツキナ。
一本足りないならまだ分かるけど、一本多いのは、どうしたことか。
何処から紛れ込んだんだろう?
ツキナに言われて、俺と『八千代』もホウキの数を数え直す。
1、2、3…。…本当だ、7本ある。
一本多い。
「おかしいなぁ。何処のホウキだろう?隣の第二稽古場かな?」
「どーだろ?第二稽古場の方も点検しにいっ、」
…と、言いかけたそのときだった。
掃除用具入れに入っていた、一本のホウキが。
突如として、痙攣でもするかのように震え出した。
「っ!ツキナ!!」
「ほぇ?」
俺は咄嗟にツキナの身体を突き飛ばすようにして、稽古場の床に伏せた。
次の瞬間、丁度ツキナが立っていた場所を。
例のホウキが、凄まじい勢いで通り過ぎていった。