神殺しのクロノスタシスⅤ〜前編〜
「へぶっ」
ツキナは床にごっつんこして、泡を吹いたような声を出していた。
非常に申し訳ない。
でも、あまりに突然の緊急事態だったので、許して欲しい。
俺が咄嗟に突き飛ばしてなかったら、今頃、あの神速のホウキは、ツキナの脳天をぶち破っていただろう。
…で、今のは何だ?
俺は床に伏せたまま、首をひねって顔を上げた。
そこで俺は、信じられない光景を見た。
「…!?」
これでも人生経験は豊富な方で、今まで様々な修羅場を乗り越えてきた故に。
今更、大抵の物事には驚かないつもりだったが。
そんな俺でも、目の前の光景に目を見開かずにはいられなかった。
…何?これ。
「…!」
『八千代』も、俺と同じく驚愕していた。
「ホウキが…」
「…浮いてる…!」
凄まじい速度で、ツキナの頭上を駆け抜けていったホウキは。
俺達の目の前で、ふわふわと浮いていた。
本当に浮いてるんだよ。信じられないかもしれないけど。
天井から吊っている訳じゃない。まるでホバリングでもするように、ふわふわしながら浮いている。
「な、何あれ…!?ほ、ホウキが浮いてる…!魔法のホウキだ…!」
顔を上げたツキナが、宙に浮く謎のホウキを見て叫んだ。
魔法のホウキとは、よく言ったものだ。
本当に魔法のホウキみた、
「っ!!ツキナ伏せて!」
「ふぇぁ!?」
ふわふわしていた魔法のホウキが、こちらに向かって狙いを定めた。
立ち上がった俺は、すぐさま臨戦態勢を取った。
いついかなる状況でも、どんな事態に巻き込まれようとも、瞬時に応戦、迎撃する。
『アメノミコト』で、散々鍛えられた技だ。
『八千代』も同様に、懐の小刀を取り出した。
残念ながら、今は制服を着ているので、『八千代』お得意の小太刀は携帯していない。
得意の武器がないからといって、誰かに遅れを取る『八千代』ではないが。
それでも、万全のコンディションとは言い難い。
じゃ、俺がやらないとねー。
俺は両手に魔法の糸を絡ませた。
「魔法のホウキか何か、知らないけど…」
暗殺者は、ターゲットの素性など考えない。
相手が何者であろうとも関係ない。
それが例え、人ではなく、モノであったとしても、だ。
こちらを攻撃する意思がある以上、相手の意図をじっくり探るようなことはしない。
殺す。壊す。壊して、無力化して、バラバラにして、沈黙させる。
この魔法のホウキが何なのか、考えるのはその後で良い。
「…ツキナに、手は出させないよ」
ツキナは床にごっつんこして、泡を吹いたような声を出していた。
非常に申し訳ない。
でも、あまりに突然の緊急事態だったので、許して欲しい。
俺が咄嗟に突き飛ばしてなかったら、今頃、あの神速のホウキは、ツキナの脳天をぶち破っていただろう。
…で、今のは何だ?
俺は床に伏せたまま、首をひねって顔を上げた。
そこで俺は、信じられない光景を見た。
「…!?」
これでも人生経験は豊富な方で、今まで様々な修羅場を乗り越えてきた故に。
今更、大抵の物事には驚かないつもりだったが。
そんな俺でも、目の前の光景に目を見開かずにはいられなかった。
…何?これ。
「…!」
『八千代』も、俺と同じく驚愕していた。
「ホウキが…」
「…浮いてる…!」
凄まじい速度で、ツキナの頭上を駆け抜けていったホウキは。
俺達の目の前で、ふわふわと浮いていた。
本当に浮いてるんだよ。信じられないかもしれないけど。
天井から吊っている訳じゃない。まるでホバリングでもするように、ふわふわしながら浮いている。
「な、何あれ…!?ほ、ホウキが浮いてる…!魔法のホウキだ…!」
顔を上げたツキナが、宙に浮く謎のホウキを見て叫んだ。
魔法のホウキとは、よく言ったものだ。
本当に魔法のホウキみた、
「っ!!ツキナ伏せて!」
「ふぇぁ!?」
ふわふわしていた魔法のホウキが、こちらに向かって狙いを定めた。
立ち上がった俺は、すぐさま臨戦態勢を取った。
いついかなる状況でも、どんな事態に巻き込まれようとも、瞬時に応戦、迎撃する。
『アメノミコト』で、散々鍛えられた技だ。
『八千代』も同様に、懐の小刀を取り出した。
残念ながら、今は制服を着ているので、『八千代』お得意の小太刀は携帯していない。
得意の武器がないからといって、誰かに遅れを取る『八千代』ではないが。
それでも、万全のコンディションとは言い難い。
じゃ、俺がやらないとねー。
俺は両手に魔法の糸を絡ませた。
「魔法のホウキか何か、知らないけど…」
暗殺者は、ターゲットの素性など考えない。
相手が何者であろうとも関係ない。
それが例え、人ではなく、モノであったとしても、だ。
こちらを攻撃する意思がある以上、相手の意図をじっくり探るようなことはしない。
殺す。壊す。壊して、無力化して、バラバラにして、沈黙させる。
この魔法のホウキが何なのか、考えるのはその後で良い。
「…ツキナに、手は出させないよ」