神殺しのクロノスタシスⅤ〜前編〜
「…」
俺とシルナと天音は、三人で顔を見合わせた。
床に落っこちたロールケーキを、令月がしゃがみ込んで、拾って摘み食いしていた。
しかし、そんなことにさえ気づかないシルナ。
「…ホウキ…今、ホウキって言った?」
「もぐもぐ。甘い」
「いや、ちょ、令月君。落っこちたの食べないで。冷蔵庫にまだあるから。食べたいならそっち食べて」
床に落ちていようが、気にせずもぐもぐしている令月。
つーか、まだ冷蔵庫にあるのかよ。このロールケーキ。
買い過ぎだろ。
いや、ロールケーキのことなんて今はどうでも良い。
それよりも、今令月が言ったことって…。
「令月、ホウキって…何のことだよ?」
「ホウキはホウキだよ」
「ホウキって、俺達が知ってるアレのことか?掃除するときに使う…」
暗殺者が使ってる俗称、とかじゃないよな?
本当に、俺達の知ってるホウキのこと…だよな?
「他にどのホウキがあるの?」
「…いや…」
…ほ、本当に…ホウキ?
「ホウキと戦ってるって…どういう意味だよ…?」
掃除してるってこと?掃除が終わらないから手伝ってくれ、とか?
しかし。
「そのままの意味だよ。ホウキが襲ってきたから、そのホウキと戦った」
「…!?」
「早く来て。園芸部の部長を守らなきゃいけないし、援軍が来たら不味い」
「…援軍…!?」
ホウキが何の援軍を呼ぶんだ?
…モップとか?
悪いけど、説明されても事情がさっぱり分からない。
何言ってるんだろう、令月の奴…。
「は、話はよく分からないけど…」
と、シルナが言った。
「とにかく、見てみないことには分からないや。令月君、すぐり君のところに案内してくれる?」
「うん、良いよ」
そうだな。行ってみないと分からない。
逆に言えば、行ってみれば分かるってことだ。
「一応、皆も来てくれる?」
シルナは、俺達教師陣に向かって言った。
…分かってるよ。仕方ないだろ。
「あぁ、分かった」
「…仕方ありませんね」
俺だって、ホウキが何やら、という話の真偽が気になるし。
園芸部の部長…ツキナとかいう子だっけ?
あの子もいるのなら、助けに行かねばなるまい。
…しかし、ホウキを捕獲したって…。全く意味が分からないのだが…。
一体、どういう状況なんだ…?
俺とシルナと天音は、三人で顔を見合わせた。
床に落っこちたロールケーキを、令月がしゃがみ込んで、拾って摘み食いしていた。
しかし、そんなことにさえ気づかないシルナ。
「…ホウキ…今、ホウキって言った?」
「もぐもぐ。甘い」
「いや、ちょ、令月君。落っこちたの食べないで。冷蔵庫にまだあるから。食べたいならそっち食べて」
床に落ちていようが、気にせずもぐもぐしている令月。
つーか、まだ冷蔵庫にあるのかよ。このロールケーキ。
買い過ぎだろ。
いや、ロールケーキのことなんて今はどうでも良い。
それよりも、今令月が言ったことって…。
「令月、ホウキって…何のことだよ?」
「ホウキはホウキだよ」
「ホウキって、俺達が知ってるアレのことか?掃除するときに使う…」
暗殺者が使ってる俗称、とかじゃないよな?
本当に、俺達の知ってるホウキのこと…だよな?
「他にどのホウキがあるの?」
「…いや…」
…ほ、本当に…ホウキ?
「ホウキと戦ってるって…どういう意味だよ…?」
掃除してるってこと?掃除が終わらないから手伝ってくれ、とか?
しかし。
「そのままの意味だよ。ホウキが襲ってきたから、そのホウキと戦った」
「…!?」
「早く来て。園芸部の部長を守らなきゃいけないし、援軍が来たら不味い」
「…援軍…!?」
ホウキが何の援軍を呼ぶんだ?
…モップとか?
悪いけど、説明されても事情がさっぱり分からない。
何言ってるんだろう、令月の奴…。
「は、話はよく分からないけど…」
と、シルナが言った。
「とにかく、見てみないことには分からないや。令月君、すぐり君のところに案内してくれる?」
「うん、良いよ」
そうだな。行ってみないと分からない。
逆に言えば、行ってみれば分かるってことだ。
「一応、皆も来てくれる?」
シルナは、俺達教師陣に向かって言った。
…分かってるよ。仕方ないだろ。
「あぁ、分かった」
「…仕方ありませんね」
俺だって、ホウキが何やら、という話の真偽が気になるし。
園芸部の部長…ツキナとかいう子だっけ?
あの子もいるのなら、助けに行かねばなるまい。
…しかし、ホウキを捕獲したって…。全く意味が分からないのだが…。
一体、どういう状況なんだ…?