神殺しのクロノスタシスⅤ〜前編〜
自分が『眠れる森の魔女』の契約者になることで、この魔法道具を黙らせようと思っていたけど。
やっぱり無理そうだ。
既に、イライラマックス状態なんだもん。
「どーしよ。火山のマグマにでも放り込む?」
「水をぶちまけて凍らせてから、南極にでも捨ててきたらどうかな」
令月とすぐりも、破壊することの方を考えている。
「いっそ、復活出来ないほど粉々に爆破しては?…って言っても、僕ならそれでも生き返るから、このホウキもそれくらいなら復活しそうですが」
腸活中のナジュも、そんな提案をした。
木っ端微塵に破壊して…それでホウキが消滅するなら、話は早いんだが。
「どうだろう…。『眠れる森の魔女』については、イーニシュフェルトの里で一通り試したからな…」
シルナは腕組みをしてそう言った。
壊すのも簡単じゃない、ってことだ。
でも、契約するのも同じくらい大変だから。
だったら、壊す為の方法を考えた方が良い。
「ルイーシュに頼んで、めちゃくちゃ遠い空間に捨ててきてもらうとか…」
良い方法だと思わないか。
ルイーシュなら、どんなに遠くの異次元でも、得意の空間魔法でひとっ飛びだからな。
すると。
「聖魔騎士団にいる『死火』の守り人に、焼き尽くしてもらうのはどうでしょう」
と、ナジュが言った。
成程、無闇のことだな?
それも良い案かもしれない。
神殺しの魔法とさえ言われた、伝説級の魔導書である『死火』。
その守り人である無闇なら、いかに不死身のホウキと言えど、炭にしてくれるかもしれない。
アリだな。
「いっそ、ホウキの方が諦めるまで拷問にかけようか。熱湯と氷水に交互に浸けて…」
「いや、それは甘いよ。地面に逆さまに埋めて、マッチで少しずつ炙ろう」
残酷。
相変わらず、発想が残酷な元暗殺者組である。
「ご、拷問か…。試したことはないけど…。有効、なのかな…?」
シルナは、半信半疑で首を傾げていたが。
まぁ、やれることがあるならやってみるべきだろう。何でも。
いい加減、俺もそろそろ腹が立ってきたからな。
この鬱陶しいホウキを、どうにか破壊出来るものなら…何でもする所存。
…なのだが。
「…天音、お前は何をやってるんだ?」
「えっ…」
皆が、『眠れる森の魔女』を破壊することを考えているところに。
天音だけは、ホウキを破壊する方法について提案することはなく。
その代わりと言わんばかりに…天音は。
…ホウキについた、ナジュの血糊を掃除していた。
タオルを使って、ホウキの柄にこびりついたナジュの血をゴシゴシ拭いていた。
…本当に、何やってるんだ?
やっぱり無理そうだ。
既に、イライラマックス状態なんだもん。
「どーしよ。火山のマグマにでも放り込む?」
「水をぶちまけて凍らせてから、南極にでも捨ててきたらどうかな」
令月とすぐりも、破壊することの方を考えている。
「いっそ、復活出来ないほど粉々に爆破しては?…って言っても、僕ならそれでも生き返るから、このホウキもそれくらいなら復活しそうですが」
腸活中のナジュも、そんな提案をした。
木っ端微塵に破壊して…それでホウキが消滅するなら、話は早いんだが。
「どうだろう…。『眠れる森の魔女』については、イーニシュフェルトの里で一通り試したからな…」
シルナは腕組みをしてそう言った。
壊すのも簡単じゃない、ってことだ。
でも、契約するのも同じくらい大変だから。
だったら、壊す為の方法を考えた方が良い。
「ルイーシュに頼んで、めちゃくちゃ遠い空間に捨ててきてもらうとか…」
良い方法だと思わないか。
ルイーシュなら、どんなに遠くの異次元でも、得意の空間魔法でひとっ飛びだからな。
すると。
「聖魔騎士団にいる『死火』の守り人に、焼き尽くしてもらうのはどうでしょう」
と、ナジュが言った。
成程、無闇のことだな?
それも良い案かもしれない。
神殺しの魔法とさえ言われた、伝説級の魔導書である『死火』。
その守り人である無闇なら、いかに不死身のホウキと言えど、炭にしてくれるかもしれない。
アリだな。
「いっそ、ホウキの方が諦めるまで拷問にかけようか。熱湯と氷水に交互に浸けて…」
「いや、それは甘いよ。地面に逆さまに埋めて、マッチで少しずつ炙ろう」
残酷。
相変わらず、発想が残酷な元暗殺者組である。
「ご、拷問か…。試したことはないけど…。有効、なのかな…?」
シルナは、半信半疑で首を傾げていたが。
まぁ、やれることがあるならやってみるべきだろう。何でも。
いい加減、俺もそろそろ腹が立ってきたからな。
この鬱陶しいホウキを、どうにか破壊出来るものなら…何でもする所存。
…なのだが。
「…天音、お前は何をやってるんだ?」
「えっ…」
皆が、『眠れる森の魔女』を破壊することを考えているところに。
天音だけは、ホウキを破壊する方法について提案することはなく。
その代わりと言わんばかりに…天音は。
…ホウキについた、ナジュの血糊を掃除していた。
タオルを使って、ホウキの柄にこびりついたナジュの血をゴシゴシ拭いていた。
…本当に、何やってるんだ?