神殺しのクロノスタシスⅤ〜前編〜
…俺が選んだトランプは、クローバーの6。
そして、このトランプに描かれている絵柄。
「ティーセット…か?これ…」
洒落たティーカップと、ティーポットの絵柄だった。
やたらメルヘンな絵だが…。
しかし『不思議の国のアリス』と言えば…ティーセットは定番アイテムだよな。
まぁ、登場人物ではないけども…。
そこはあれだよ。多分、大人の事情的な何かが働いて…。
「…!羽久、羽久も6なの?」
と、シルナが声をあげた。
ん?
羽久「も」…ってことは…まさか。
「シルナも6なのか?」
「うん…!ほら、ハートの6」
…なんと。
誰かと一緒だったら良いと思っていたら、本当に一緒だった。
途端に、心の中に安堵感が広がった。
一人じゃないことの有り難さよ。
俄然、何とかなりそうになってきた…って、『シンデレラ』のときも思ったな。
俺は自分で思ってるよりも、寂しがり屋なのかもしれない。
…ま、そりゃそうか。
俺がと言うより、「前の」俺が…。
…いや、今はそんなことはどうでも良いな。
「俺とシルナが6…。他の皆は…」
もしかしたら、他にも数字が被っているメンバーがいるかもしれない。
すると。
「あれ。『八千代』も7なの?俺も7だよ」
「本当だ。被ったね」
なんという奇跡。
令月とすぐりの二人も、同じ7のトランプを手にしていた。
お前達、こんなときでも以心伝心か。
素晴らしい友情パワーを、遺憾なく発揮していく。
これは良い調子だ。
一人で探すより、二人三人で手分けして探す方が、絶対効率が良いに決まっている。
ランダムで決まる数字だが、二組も数字が被っているとは。有り難い。
運命の女神様に感謝だ。
…と思ったけど、もし本当に運命の女神様がいるなら、そもそもこんな世界に俺達を連れてこないでくれ。
もしかしたら、他の三人も数字が被っている者がいるかもしれない。
「イレース。ナジュ、天音。お前達は?」
期待を込めて、三人に尋ねる。
…しかし。
「私は3ですね」
「僕は…クイーンだ。12」
「僕は2ですね」
運命の女神様は、それほど優しくはなかった。
偶然は長続きしない。
三人共、バラバラの数字だ。
そうか…。駄目だったか…。
ってことは、イレース、ナジュ、天音の三人は…それぞれ、一人で招待状探さないといけないんだな。
そりゃそうか…。俺とシルナ、令月とすぐりの数字が被ったのも、非常に幸運な偶然だったのだ。
トランプの数字は、1から13まであるのだから。
期待値的には、全員バラバラの数字でもおかしくなかった。
それでも、二組も被っていたことに感謝するべきだろう。
「さぁ、皆さん、それぞれ自分の運命を決めるカードは選びましたね?」
と、ハンプティ・ダンプティが言った。
…あぁ、選んだよ。
「ちなみに、チェンジは効かないんだよな?」
「勿論。トランプを引くチャンスは一度きりですよ」
だよなぁ。
もし引き直しが通用するなら、イレース達にもう一回引いてもらって、被りを期待出来たんだが…。
まぁ、それをやり出したら切りがないからな。
…仕方ない。
直感で引いたこの数字に従って、招待状を探しに行くしかないらしい。
そして、このトランプに描かれている絵柄。
「ティーセット…か?これ…」
洒落たティーカップと、ティーポットの絵柄だった。
やたらメルヘンな絵だが…。
しかし『不思議の国のアリス』と言えば…ティーセットは定番アイテムだよな。
まぁ、登場人物ではないけども…。
そこはあれだよ。多分、大人の事情的な何かが働いて…。
「…!羽久、羽久も6なの?」
と、シルナが声をあげた。
ん?
羽久「も」…ってことは…まさか。
「シルナも6なのか?」
「うん…!ほら、ハートの6」
…なんと。
誰かと一緒だったら良いと思っていたら、本当に一緒だった。
途端に、心の中に安堵感が広がった。
一人じゃないことの有り難さよ。
俄然、何とかなりそうになってきた…って、『シンデレラ』のときも思ったな。
俺は自分で思ってるよりも、寂しがり屋なのかもしれない。
…ま、そりゃそうか。
俺がと言うより、「前の」俺が…。
…いや、今はそんなことはどうでも良いな。
「俺とシルナが6…。他の皆は…」
もしかしたら、他にも数字が被っているメンバーがいるかもしれない。
すると。
「あれ。『八千代』も7なの?俺も7だよ」
「本当だ。被ったね」
なんという奇跡。
令月とすぐりの二人も、同じ7のトランプを手にしていた。
お前達、こんなときでも以心伝心か。
素晴らしい友情パワーを、遺憾なく発揮していく。
これは良い調子だ。
一人で探すより、二人三人で手分けして探す方が、絶対効率が良いに決まっている。
ランダムで決まる数字だが、二組も数字が被っているとは。有り難い。
運命の女神様に感謝だ。
…と思ったけど、もし本当に運命の女神様がいるなら、そもそもこんな世界に俺達を連れてこないでくれ。
もしかしたら、他の三人も数字が被っている者がいるかもしれない。
「イレース。ナジュ、天音。お前達は?」
期待を込めて、三人に尋ねる。
…しかし。
「私は3ですね」
「僕は…クイーンだ。12」
「僕は2ですね」
運命の女神様は、それほど優しくはなかった。
偶然は長続きしない。
三人共、バラバラの数字だ。
そうか…。駄目だったか…。
ってことは、イレース、ナジュ、天音の三人は…それぞれ、一人で招待状探さないといけないんだな。
そりゃそうか…。俺とシルナ、令月とすぐりの数字が被ったのも、非常に幸運な偶然だったのだ。
トランプの数字は、1から13まであるのだから。
期待値的には、全員バラバラの数字でもおかしくなかった。
それでも、二組も被っていたことに感謝するべきだろう。
「さぁ、皆さん、それぞれ自分の運命を決めるカードは選びましたね?」
と、ハンプティ・ダンプティが言った。
…あぁ、選んだよ。
「ちなみに、チェンジは効かないんだよな?」
「勿論。トランプを引くチャンスは一度きりですよ」
だよなぁ。
もし引き直しが通用するなら、イレース達にもう一回引いてもらって、被りを期待出来たんだが…。
まぁ、それをやり出したら切りがないからな。
…仕方ない。
直感で引いたこの数字に従って、招待状を探しに行くしかないらしい。