神殺しのクロノスタシスⅤ〜前編〜
…悲報。
俺とシルナが、縮んだ。
多分、通常の人間視点だったら、目を凝らさないと見えないほど縮んでる。
テントウムシとか、アリンコのサイズ。
足の小指の爪くらいか?
…ちっちゃ…。
やべぇよ。もう、色んなことがやべぇ。
「どうすんだよ…これ…」
今の俺達にとっては、例えテントウムシが相手でも、巨大な怪獣が襲ってきたように見えるだろう。
「わー。ちっちゃーい。何もかもが大きく見えるね〜」
…シルナの奴、何でちょっと楽しそうなんだ?
状況分かってるか?
それとも、まだ「とびきりのお菓子」とやらで、頭の中お花畑になってるのか?
「お前、何ふざけてるんだ?状況を理解してるのか?」
「い、いや…。わ、分かってる。分かってるよ。そ、そんな怒らないで」
怒るわ。
時間もない、余裕もない、それどころかこんな変わり果てた姿にさせられて。
とてもじゃないが、落ち着いていられない。
「今、誰かに…何かに襲われたら、俺達は為す術もないんだぞ」
さっきも言った通り、テントウムシに襲われても死活問題だからな?
人間だろうが、昆虫だろうが、それ以外の動物だろうが。
足の裏でプチッと潰されて、それでおしまいだ。
生憎俺はシルナと違って、昆虫視点に慣れてないからな。
心の余裕なんて、あるはずがない。
「そ、それはそうだけど…」
「悠長してる場合か?こんなサイズじゃ、何をやろうにも満足に…」
…あ、そうだ。
俺はふと思いついて、ポケットに手を突っ込んだ。
そこには、ちゃんと愛用の杖が入っていた。
杖も俺と同じように、ミニチュアサイズに縮んでしまったらしい。
元々小さくて細い杖なのに、更にこんなに小さくなってしまって…。
人間視点だと多分、この杖…産毛ほどの大きさもないんだろうな。
何もかもが、びっくりするほど縮んでしまった。
あの青い液体のせいで…。
飲む以外の選択肢がなかったとはいえ…。ある意味で、やっぱり毒だったな。
他の皆も、こんな目に遭わされているのだろうか…?
…それはともかく、今は杖だ。
俺は杖を振って、得意の時魔法を発動させた。
「…」
…一応、魔法は使えるようだ。
ただし…魔法の威力はゴミカスだな。
無理もない。
身体が縮んでるんだから、魔法の威力もその分弱くなるのは当たり前。
…なんて貧弱な魔法だ…。泣きたくなる…。
これが、イーニシュフェルト魔導学院で教師を務める者の魔法かよ。
とてもじゃないが、ルーデュニア聖王国の皆様に、こんな情けない姿はお見せ出来ないな。
俺とシルナが、縮んだ。
多分、通常の人間視点だったら、目を凝らさないと見えないほど縮んでる。
テントウムシとか、アリンコのサイズ。
足の小指の爪くらいか?
…ちっちゃ…。
やべぇよ。もう、色んなことがやべぇ。
「どうすんだよ…これ…」
今の俺達にとっては、例えテントウムシが相手でも、巨大な怪獣が襲ってきたように見えるだろう。
「わー。ちっちゃーい。何もかもが大きく見えるね〜」
…シルナの奴、何でちょっと楽しそうなんだ?
状況分かってるか?
それとも、まだ「とびきりのお菓子」とやらで、頭の中お花畑になってるのか?
「お前、何ふざけてるんだ?状況を理解してるのか?」
「い、いや…。わ、分かってる。分かってるよ。そ、そんな怒らないで」
怒るわ。
時間もない、余裕もない、それどころかこんな変わり果てた姿にさせられて。
とてもじゃないが、落ち着いていられない。
「今、誰かに…何かに襲われたら、俺達は為す術もないんだぞ」
さっきも言った通り、テントウムシに襲われても死活問題だからな?
人間だろうが、昆虫だろうが、それ以外の動物だろうが。
足の裏でプチッと潰されて、それでおしまいだ。
生憎俺はシルナと違って、昆虫視点に慣れてないからな。
心の余裕なんて、あるはずがない。
「そ、それはそうだけど…」
「悠長してる場合か?こんなサイズじゃ、何をやろうにも満足に…」
…あ、そうだ。
俺はふと思いついて、ポケットに手を突っ込んだ。
そこには、ちゃんと愛用の杖が入っていた。
杖も俺と同じように、ミニチュアサイズに縮んでしまったらしい。
元々小さくて細い杖なのに、更にこんなに小さくなってしまって…。
人間視点だと多分、この杖…産毛ほどの大きさもないんだろうな。
何もかもが、びっくりするほど縮んでしまった。
あの青い液体のせいで…。
飲む以外の選択肢がなかったとはいえ…。ある意味で、やっぱり毒だったな。
他の皆も、こんな目に遭わされているのだろうか…?
…それはともかく、今は杖だ。
俺は杖を振って、得意の時魔法を発動させた。
「…」
…一応、魔法は使えるようだ。
ただし…魔法の威力はゴミカスだな。
無理もない。
身体が縮んでるんだから、魔法の威力もその分弱くなるのは当たり前。
…なんて貧弱な魔法だ…。泣きたくなる…。
これが、イーニシュフェルト魔導学院で教師を務める者の魔法かよ。
とてもじゃないが、ルーデュニア聖王国の皆様に、こんな情けない姿はお見せ出来ないな。