神殺しのクロノスタシスⅤ〜前編〜
「この濃い紫のドレスは?」
「そのドレスは、何だか野暮ったく見えるから、嫌いなんです」
「それならこちらの…薄紫のドレスなら良いのでは?」
「薄紫…今日はそんな気分じゃないなぁ」
宰相も宰相だけど、この女王も女王で、相当我儘。
あなたの気分など、知ったことですか。
内心、加速するイライラが止められなかったが。
それを何とか、必死に抑えた。招待状の為に。
しかし私は、元々我慢強いタイプではありません。
「あぁ、どうしましょう…。着ていく服が見つからない。私は今夜、どのドレスを着ていけば良いんでしょう?」
面倒臭いから、もう裸で行きなさい。
考えるのが面倒になってきた。
「…分かりました。では、あなたはこの…赤紫のドレスを着なさい」
これで最後です。ファイナルアンサーです。
私は、手近にあった赤紫のドレスのハンガーを掴んだ。
「え?でも…紫は今日の気分じゃなくて…」
「知ったことではありません。これを着なさい」
「それにそのドレスは、前にも着たことがあって…」
「知ったことではありません。これを着なさい」
「派手な色だからって、宰相にも駄目出しされて…」
「知ったことではありません。これを着なさい」
「…」
「これを着なさい。…良いですね?」
「…はい…」
宜しい。
最初からそうやって、素直に頷けば良いんです。
着ていく服を選ぶだけで、こんなに時間と労力を費やすなんて。
全く馬鹿げていて、イライラさせられますね。
「そのドレスは、何だか野暮ったく見えるから、嫌いなんです」
「それならこちらの…薄紫のドレスなら良いのでは?」
「薄紫…今日はそんな気分じゃないなぁ」
宰相も宰相だけど、この女王も女王で、相当我儘。
あなたの気分など、知ったことですか。
内心、加速するイライラが止められなかったが。
それを何とか、必死に抑えた。招待状の為に。
しかし私は、元々我慢強いタイプではありません。
「あぁ、どうしましょう…。着ていく服が見つからない。私は今夜、どのドレスを着ていけば良いんでしょう?」
面倒臭いから、もう裸で行きなさい。
考えるのが面倒になってきた。
「…分かりました。では、あなたはこの…赤紫のドレスを着なさい」
これで最後です。ファイナルアンサーです。
私は、手近にあった赤紫のドレスのハンガーを掴んだ。
「え?でも…紫は今日の気分じゃなくて…」
「知ったことではありません。これを着なさい」
「それにそのドレスは、前にも着たことがあって…」
「知ったことではありません。これを着なさい」
「派手な色だからって、宰相にも駄目出しされて…」
「知ったことではありません。これを着なさい」
「…」
「これを着なさい。…良いですね?」
「…はい…」
宜しい。
最初からそうやって、素直に頷けば良いんです。
着ていく服を選ぶだけで、こんなに時間と労力を費やすなんて。
全く馬鹿げていて、イライラさせられますね。