神殺しのクロノスタシスⅤ〜前編〜
…しかし。
「きっと大丈夫だよ、あの子達なら」
疲労が色濃く滲んだ顔つきだったが、それでもシルナは、微笑んでみせた。
…シルナ…。
「心配しなくても大丈夫。信じて待ってよう」
「…分かったよ」
ほんの僅かな時間、離れていただけだってのに。
既に、積もる話は山ほどある。
この先にあるという、お茶会の会場で…先に待っていてくれる。
そう期待して、俺達は薔薇のアーチを潜り抜けた。
そこには、成程、お茶会の会場があった。
大きなテーブル。そのテーブルを囲む人数分の椅子。
テーブルの上には、何故か不自然なほど大きな皿が、いくつも並べられていた。
でっかい皿…。余程大量の菓子を並べるつもりらしい。
とびきりのお菓子、って言ってたもんな。
…そんなことより。
「…!」
誰かが待っていてくれる、と期待していた。
しかし、そこにはまだ…誰もいなかった。
…俺達が一番乗りなのか。
ますます不安になるから、そういうのは遠慮して欲しかった。
「…大丈夫だよ、羽久。大丈夫」
空席まみれのテーブルを見ても、シルナは動じなかった。
「きっと、今にやって来るよ」
「…そうか…」
…そうだったら良いんだが。
もし誰か一人でも揃わなかったら、さっきのトランプ兵と、ハンプティ・ダンプティを脅してでも、迎えに行こう。
ルール?知ったことか。
仲間の命より大事なものがあるかよ。
…と、思ったそのとき。
「…あら、あなた達。先に来ていたんですか」
「…!」
聞き慣れた声がして、俺とシルナは、がばっと振り返った。
そこには、腕組みをしたイレースが立っていた。
…思わず、安堵の溜め息が溢れるところだった。
「イレース…!無事だったんだな?」
「イレースちゃんも、招待状を手に入れられたんだね。良かった…」
「当然です。こんな玩具の魔法道具にやられる私ではありません」
いつも通りの、不遜な口調さえも懐かしい。
良かった。やっぱり俺達だけじゃなかった…。
イレースも、無事に…。
…すると、そこに。
「あっ、学院長先生。羽久さん、イレースさんも…」
「天音…!」
イレースに続いて、天音が薔薇のアーチを潜り、お茶会の会場にやって来た。
続々来る。続々来てるぞ。
良かった。天音も無事だった。
「三人共…無事で良かった。ナジュ君や…あとの二人は?」
「まだだ。でも…あいつらなら…」
きっと、今にやって来るはずだ。
「きっと大丈夫だよ、あの子達なら」
疲労が色濃く滲んだ顔つきだったが、それでもシルナは、微笑んでみせた。
…シルナ…。
「心配しなくても大丈夫。信じて待ってよう」
「…分かったよ」
ほんの僅かな時間、離れていただけだってのに。
既に、積もる話は山ほどある。
この先にあるという、お茶会の会場で…先に待っていてくれる。
そう期待して、俺達は薔薇のアーチを潜り抜けた。
そこには、成程、お茶会の会場があった。
大きなテーブル。そのテーブルを囲む人数分の椅子。
テーブルの上には、何故か不自然なほど大きな皿が、いくつも並べられていた。
でっかい皿…。余程大量の菓子を並べるつもりらしい。
とびきりのお菓子、って言ってたもんな。
…そんなことより。
「…!」
誰かが待っていてくれる、と期待していた。
しかし、そこにはまだ…誰もいなかった。
…俺達が一番乗りなのか。
ますます不安になるから、そういうのは遠慮して欲しかった。
「…大丈夫だよ、羽久。大丈夫」
空席まみれのテーブルを見ても、シルナは動じなかった。
「きっと、今にやって来るよ」
「…そうか…」
…そうだったら良いんだが。
もし誰か一人でも揃わなかったら、さっきのトランプ兵と、ハンプティ・ダンプティを脅してでも、迎えに行こう。
ルール?知ったことか。
仲間の命より大事なものがあるかよ。
…と、思ったそのとき。
「…あら、あなた達。先に来ていたんですか」
「…!」
聞き慣れた声がして、俺とシルナは、がばっと振り返った。
そこには、腕組みをしたイレースが立っていた。
…思わず、安堵の溜め息が溢れるところだった。
「イレース…!無事だったんだな?」
「イレースちゃんも、招待状を手に入れられたんだね。良かった…」
「当然です。こんな玩具の魔法道具にやられる私ではありません」
いつも通りの、不遜な口調さえも懐かしい。
良かった。やっぱり俺達だけじゃなかった…。
イレースも、無事に…。
…すると、そこに。
「あっ、学院長先生。羽久さん、イレースさんも…」
「天音…!」
イレースに続いて、天音が薔薇のアーチを潜り、お茶会の会場にやって来た。
続々来る。続々来てるぞ。
良かった。天音も無事だった。
「三人共…無事で良かった。ナジュ君や…あとの二人は?」
「まだだ。でも…あいつらなら…」
きっと、今にやって来るはずだ。