神殺しのクロノスタシスⅤ〜前編〜
お前…普通に喋ろうと思ったら、喋れるのか。
だったら、最初からそうしてくれ。
いや、でも。
シルナの裏切り…って、それはつまり…やっぱり…。
「我らイーニシュフェルトの里の悲願を…贄として捧げられた我らの無念を…踏みにじった貴様を、我らは断じて許さぬ…」
…そうかよ。そのことかよ。
そうだろうな。
それ以外に…シルナをこれほど顔面蒼白にする理由はない。
また、イーニシュフェルトの里絡み…。
いい加減シルナをそっとしておこうとか、放っておいてやろうとか、そういう気遣いはないのか。
人の心がないのか、お前達は。
それともあれか。
人の心がないのは、裏切ったシルナの方だとでも言うつもりか?
「自らの役目を忘れ、あろうことか邪神に身を売るとは…」
「…」
「ましてや、厚かましくもイーニシュフェルトの名を冠する学院を建て、二重の意味で死者を愚弄したその罪…何を持って贖わせようか…」
「そ…れ、は…」
痛いところを突かれたシルナが怯むのを見て、俺はカッと頭に血が上った。
このジジィ…言いたいことを言わせておけば。
「ふざけんなよ、老いぼれジジィ。黙って聞いてりゃ…勝手なことばっかり言いやがって」
一方的にシルナを追い詰めて、それで勝ったつもりか。
「シルナが何を選択しようと、それはシルナの自由だろ。里のもんだか誰だか知らないが、お前に口出しする権利は…」
「貴様こそ口を挟むな。…この忌々しい邪神の写し身が」
…あぁ、そうかい。
好きに呼べば良い。
「我は、今は亡きイーニシュフェルトの里の、族長の座を任せられた者」
唐突に身分を明かしやがった。
何だと?
やけに偉そうだと思ったら…こいつ、イーニシュフェルトの里の族長…。
つまり、ヴァルシーナの祖父さんだったのか。
だったら、最初からそうしてくれ。
いや、でも。
シルナの裏切り…って、それはつまり…やっぱり…。
「我らイーニシュフェルトの里の悲願を…贄として捧げられた我らの無念を…踏みにじった貴様を、我らは断じて許さぬ…」
…そうかよ。そのことかよ。
そうだろうな。
それ以外に…シルナをこれほど顔面蒼白にする理由はない。
また、イーニシュフェルトの里絡み…。
いい加減シルナをそっとしておこうとか、放っておいてやろうとか、そういう気遣いはないのか。
人の心がないのか、お前達は。
それともあれか。
人の心がないのは、裏切ったシルナの方だとでも言うつもりか?
「自らの役目を忘れ、あろうことか邪神に身を売るとは…」
「…」
「ましてや、厚かましくもイーニシュフェルトの名を冠する学院を建て、二重の意味で死者を愚弄したその罪…何を持って贖わせようか…」
「そ…れ、は…」
痛いところを突かれたシルナが怯むのを見て、俺はカッと頭に血が上った。
このジジィ…言いたいことを言わせておけば。
「ふざけんなよ、老いぼれジジィ。黙って聞いてりゃ…勝手なことばっかり言いやがって」
一方的にシルナを追い詰めて、それで勝ったつもりか。
「シルナが何を選択しようと、それはシルナの自由だろ。里のもんだか誰だか知らないが、お前に口出しする権利は…」
「貴様こそ口を挟むな。…この忌々しい邪神の写し身が」
…あぁ、そうかい。
好きに呼べば良い。
「我は、今は亡きイーニシュフェルトの里の、族長の座を任せられた者」
唐突に身分を明かしやがった。
何だと?
やけに偉そうだと思ったら…こいつ、イーニシュフェルトの里の族長…。
つまり、ヴァルシーナの祖父さんだったのか。