神殺しのクロノスタシスⅤ〜前編〜
…では、改めて。
「あの、里の族長についてだが…。…どうする?」
…と言っても。
聞くだけ野暮ってもんだな。
「どうするも何も、何人たりとも、学院に不法侵入して、私の完璧な授業計画の邪魔をするなら…粛清するまでです」
さすがイレース。即答だよ。
「え、あ、いや…。でも、一応、話し合いで解決出来ないかな…?学院長先生にとっては、同郷の人なんだから…」
心根の優しい天音は、暴力ではなく、話し合いで平和的に解決したい様子。
そうだな。それが出来るなら、多分一番良い。
シルナの苦しみを理解し、そして認めてもらいたい。
そうすれば、シルナも、誰も傷つくことはない。全てが丸く収まる。
しかし…。
「問題は、あのジジィが話し合いに応じてくれるか、だろ」
あの様子を見るに、とても話し合いをしてくれそうにないぞ。
問答無用で、殴りかかってきそうな勢いだった。
自称、イーニシュフェルトの誇り(笑)を何より重んじている奴らだ。
ヴァルシーナと言い、あのジジィと言いな。
そんな奴らが、里を裏切ったシルナを認め、和解してくれるとはとても…。
夢にも考えられない。
「無理かな…?やっぱり…」
「無理だろ…?あんなに拗れてるのに」
話し合うつもりがあるなら、先にそう言ってくるだろ。
それをせず、問答無用で殴りかかってきたのだから…。
あのジジィに、話し合いをするつもりはないと見て良いだろう。
血の気の多い奴だよ。
本当、ヴァルシーナにそっくりだよな。
あ、いや、逆か。
ジジィがヴァルシーナに似てるんじゃなく、ヴァルシーナがジジィに似ているのだ。
そんなに大事かね。イーニシュフェルトの里の誇りやら、威信やら。
俺にとっては、過去の栄光以外の何物でもないのだが。
とっくに新政権が発足して、何千年にもなるのに。
未だに、大昔の王家の血を重んじているような…そんな、時代錯誤を感じる。
いい加減、頭を最新バージョンにアップデートしろよ。
いつまで、昔の価値観まま生きるつもりだ?
すると。
「天音さん。話し合いは無理ですよ」
と、ナジュが当たり前のことのように、きっぱりと言った。
「え…そ、そうかな…」
「えぇ、無理です」
…やけに、はっきり断言するんだな。
そりゃ、話し合いに応じてくれそうな奴ではないが…。
でも、全く可能性が皆無って訳でも…。
「何で、そこまではっきり、無理だって言えるの?ナジュ君…」
という、天音の問いに。
「だって、死体と話し合いは出来ないでしょう?」
ナジュは、とんでもないことをさらっと言った。
…。
…死体?
「あの、里の族長についてだが…。…どうする?」
…と言っても。
聞くだけ野暮ってもんだな。
「どうするも何も、何人たりとも、学院に不法侵入して、私の完璧な授業計画の邪魔をするなら…粛清するまでです」
さすがイレース。即答だよ。
「え、あ、いや…。でも、一応、話し合いで解決出来ないかな…?学院長先生にとっては、同郷の人なんだから…」
心根の優しい天音は、暴力ではなく、話し合いで平和的に解決したい様子。
そうだな。それが出来るなら、多分一番良い。
シルナの苦しみを理解し、そして認めてもらいたい。
そうすれば、シルナも、誰も傷つくことはない。全てが丸く収まる。
しかし…。
「問題は、あのジジィが話し合いに応じてくれるか、だろ」
あの様子を見るに、とても話し合いをしてくれそうにないぞ。
問答無用で、殴りかかってきそうな勢いだった。
自称、イーニシュフェルトの誇り(笑)を何より重んじている奴らだ。
ヴァルシーナと言い、あのジジィと言いな。
そんな奴らが、里を裏切ったシルナを認め、和解してくれるとはとても…。
夢にも考えられない。
「無理かな…?やっぱり…」
「無理だろ…?あんなに拗れてるのに」
話し合うつもりがあるなら、先にそう言ってくるだろ。
それをせず、問答無用で殴りかかってきたのだから…。
あのジジィに、話し合いをするつもりはないと見て良いだろう。
血の気の多い奴だよ。
本当、ヴァルシーナにそっくりだよな。
あ、いや、逆か。
ジジィがヴァルシーナに似てるんじゃなく、ヴァルシーナがジジィに似ているのだ。
そんなに大事かね。イーニシュフェルトの里の誇りやら、威信やら。
俺にとっては、過去の栄光以外の何物でもないのだが。
とっくに新政権が発足して、何千年にもなるのに。
未だに、大昔の王家の血を重んじているような…そんな、時代錯誤を感じる。
いい加減、頭を最新バージョンにアップデートしろよ。
いつまで、昔の価値観まま生きるつもりだ?
すると。
「天音さん。話し合いは無理ですよ」
と、ナジュが当たり前のことのように、きっぱりと言った。
「え…そ、そうかな…」
「えぇ、無理です」
…やけに、はっきり断言するんだな。
そりゃ、話し合いに応じてくれそうな奴ではないが…。
でも、全く可能性が皆無って訳でも…。
「何で、そこまではっきり、無理だって言えるの?ナジュ君…」
という、天音の問いに。
「だって、死体と話し合いは出来ないでしょう?」
ナジュは、とんでもないことをさらっと言った。
…。
…死体?