神殺しのクロノスタシスⅤ〜前編〜
Ⅳ
…。
…シルナのドッペルゲンガーは、無事に消えたが。
それ以上に奴は、いかにも厄介そうな「置き土産」を残していった。
他の六匹…。
ってことは、つまり…あと六体のドッペルゲンガーが現れるってことか…。
『オオカミと七匹の子ヤギ』。ドッペルゲンガー。イーニシュフェルトの里の遺産。
気になることは山程あるが、まずは…。
「う、うぅ…。羽久〜っ!!」
「うわっ、何だよ?」
シルナが半泣きで飛びついてきた。
ちょ、おい。鼻水。
「うぅ、羽久〜っ…!」
「何だよ?」
「に、偽物。偽物の方が良いって言うんじゃないかって…」
…何を言ってるんだか。
「そんなこと言う訳ないだろ、馬鹿」
偽物を選ぶと思ったのか?俺が?
だとしたら、みくびられたもんだ。
「砂糖で脳みそをやられてようが、前世がパンダだろうが…シルナはシルナだろ?代わりなんて何処にもいないんだよ」
「うぅ…羽久ぇ…」
「ほら、もうめそめそすんな」
「ふぇぇぇぇぇん!」
あーあ。もう、服に鼻水が…。
「…」
イレースは泣きじゃくるシルナを、まるで汚物のように眺めていた。
やめろ。そんな目で見るな。
俺だって嫌なんだぞ。
「消えて頂いたところ恐縮ですが、やはり戻ってきてもらった方が良いかもしれませんね」
それを言うなって。俺まで後悔しそうになるだろ。
「それより、今は…」
「えぇ…。…『オオカミと七匹の子ヤギ』でしたっけ?新しい里の遺産の封印が解かれた件について、話し合わなければなりませんね」
「あぁ。すぐに、ナジュ達を呼んでこよう。あいつらも交えて…」
「分かりました。すぐに呼んできます」
「ぴぇぇぇぇぇん!」
「お前はいつまで泣いてるんだよ!」
いい加減、俺の服に鼻水つけるのをやめろ。
…シルナのドッペルゲンガーは、無事に消えたが。
それ以上に奴は、いかにも厄介そうな「置き土産」を残していった。
他の六匹…。
ってことは、つまり…あと六体のドッペルゲンガーが現れるってことか…。
『オオカミと七匹の子ヤギ』。ドッペルゲンガー。イーニシュフェルトの里の遺産。
気になることは山程あるが、まずは…。
「う、うぅ…。羽久〜っ!!」
「うわっ、何だよ?」
シルナが半泣きで飛びついてきた。
ちょ、おい。鼻水。
「うぅ、羽久〜っ…!」
「何だよ?」
「に、偽物。偽物の方が良いって言うんじゃないかって…」
…何を言ってるんだか。
「そんなこと言う訳ないだろ、馬鹿」
偽物を選ぶと思ったのか?俺が?
だとしたら、みくびられたもんだ。
「砂糖で脳みそをやられてようが、前世がパンダだろうが…シルナはシルナだろ?代わりなんて何処にもいないんだよ」
「うぅ…羽久ぇ…」
「ほら、もうめそめそすんな」
「ふぇぇぇぇぇん!」
あーあ。もう、服に鼻水が…。
「…」
イレースは泣きじゃくるシルナを、まるで汚物のように眺めていた。
やめろ。そんな目で見るな。
俺だって嫌なんだぞ。
「消えて頂いたところ恐縮ですが、やはり戻ってきてもらった方が良いかもしれませんね」
それを言うなって。俺まで後悔しそうになるだろ。
「それより、今は…」
「えぇ…。…『オオカミと七匹の子ヤギ』でしたっけ?新しい里の遺産の封印が解かれた件について、話し合わなければなりませんね」
「あぁ。すぐに、ナジュ達を呼んでこよう。あいつらも交えて…」
「分かりました。すぐに呼んできます」
「ぴぇぇぇぇぇん!」
「お前はいつまで泣いてるんだよ!」
いい加減、俺の服に鼻水つけるのをやめろ。