神殺しのクロノスタシスⅤ〜前編〜
…とはいえ。
この天音は、自分を本物だと自覚してるんだよな?
「ユリナさんを泣かせたことも、全くご存知ないようです。一応、この天音さんが本物であると仮定しても良いのでは?」
「…そうか…。…そうだな…」
それだけで、簡単にオリジナルだと信じるのは危険だか…。
学院の中で、誰よりも天音と親しくしているナジュがこう言うのだから…。
一応、目の前にいるこの天音を、天音だと信じても良いのかもしれない。
100%確信してる訳じゃないけどな。
常に、こいつが偽物である可能性を考慮していなくては。
「あ、あの…?どういうこと?本物って…」
天音(仮)が、戸惑ったような顔で尋ねた。
成程。この表情も、まるで本物のように見えるな。
「お察しの通り…あなたのドッペルゲンガーが出たんですよ」
「えっ…!僕のドッペルゲンガーが出たの…!?」
…うん。
この反応も、やっぱりオリジナルそのものだ。
これがもし偽物だったら、こいつはとんでもない役者だぞ。
「いたいけな女子生徒を泣かせたらしいですよ。最低ですね」
「え、えぇ…!?嘘…そんな…」
「大丈夫です。ちゃんと『天音先生は生理前だから』って言い訳しておきましたから。これで誤解は避けられますよ」
「…ナジュ君、君は何を言ってるの…?」
…俺は悪くないからな。
悪いのはドッペルゲンガー天音だから。うん。
…別の誤解が生まれそうだよな。
「急いでもう一人の天音君を捕まえて、止めないと…。これ以上好き勝手にされたら、生徒にも言い訳が出来なくなっちゃうよ」
「そ、そうですね…。でも…僕のドッペルゲンガーって何処に…」
何処にいるんだろうな。
「天音のフリをするなら、順当に考えて…保健室にいる可能性が高いんじゃないか?」
「あ、そうか…」
「よし、じゃあ今すぐ保健室に行ってみよう」
話はまとまった。
書類仕事をしていた天音は、書きかけの書類を放り出して立ち上がった。
今は、書類仕事どころじゃないからな。
保健室にいれば良いが、いなかったら校内大捜索だ。
それでも見つからなかったら、もうお手上げ…。
…と、思っていたら。
この天音は、自分を本物だと自覚してるんだよな?
「ユリナさんを泣かせたことも、全くご存知ないようです。一応、この天音さんが本物であると仮定しても良いのでは?」
「…そうか…。…そうだな…」
それだけで、簡単にオリジナルだと信じるのは危険だか…。
学院の中で、誰よりも天音と親しくしているナジュがこう言うのだから…。
一応、目の前にいるこの天音を、天音だと信じても良いのかもしれない。
100%確信してる訳じゃないけどな。
常に、こいつが偽物である可能性を考慮していなくては。
「あ、あの…?どういうこと?本物って…」
天音(仮)が、戸惑ったような顔で尋ねた。
成程。この表情も、まるで本物のように見えるな。
「お察しの通り…あなたのドッペルゲンガーが出たんですよ」
「えっ…!僕のドッペルゲンガーが出たの…!?」
…うん。
この反応も、やっぱりオリジナルそのものだ。
これがもし偽物だったら、こいつはとんでもない役者だぞ。
「いたいけな女子生徒を泣かせたらしいですよ。最低ですね」
「え、えぇ…!?嘘…そんな…」
「大丈夫です。ちゃんと『天音先生は生理前だから』って言い訳しておきましたから。これで誤解は避けられますよ」
「…ナジュ君、君は何を言ってるの…?」
…俺は悪くないからな。
悪いのはドッペルゲンガー天音だから。うん。
…別の誤解が生まれそうだよな。
「急いでもう一人の天音君を捕まえて、止めないと…。これ以上好き勝手にされたら、生徒にも言い訳が出来なくなっちゃうよ」
「そ、そうですね…。でも…僕のドッペルゲンガーって何処に…」
何処にいるんだろうな。
「天音のフリをするなら、順当に考えて…保健室にいる可能性が高いんじゃないか?」
「あ、そうか…」
「よし、じゃあ今すぐ保健室に行ってみよう」
話はまとまった。
書類仕事をしていた天音は、書きかけの書類を放り出して立ち上がった。
今は、書類仕事どころじゃないからな。
保健室にいれば良いが、いなかったら校内大捜索だ。
それでも見つからなかったら、もうお手上げ…。
…と、思っていたら。