激甘すぎる婚前同居。 〜訳アリ令嬢は染織家の盲愛に気づかない〜
植物園に着いたのは十一時過ぎのことだった。到着すると宮下さんとは別れて、中へと入る。
「美宙ちゃん、お腹は空いてないかい?」
「あっ、お腹……空いたかもしれないです。藤乃さんは?」
朝、支度があるからと早く起きて食べたのも早かったから少し空いている。お腹がなっちゃうくらい空いてるわけじゃないけど、何か食べたい気分だ。
「おしゃれなものはないけど、ここのホットドッグは絶品でね……一緒に食べよう」
「ホットドック?」
そういえば、ホットドックらしい包み袋を持ってる人結構いるな……そんなに美味しいのだろうか。それとも有名なものなのかしら?
「……っ、おいしいですっ!」
ふわふわのパンに、半熟のスクランブルエッグにジューシーなソーセージが挟まっている。そして、その上には自家製のトマトケチャップがたっぷりとかかっていてとても美味しい。
ホットドックってあまり食べたことなかったけどこんなに美味しかったのね……
「それはよかった。このハーブティーも美味しいんだ、きっと女の子が好きな味だよ」
「ありがとうございます、いただきます」