激甘すぎる婚前同居。 〜訳アリ令嬢は染織家の盲愛に気づかない〜
「美宙ちゃん、どうかな気に入った?」
「とても素敵です……おうちの別邸とは比べ物にならないくらいで」
「……別邸?」
「あっ、いえ。なんでもないですっ! きょ、今日は藤乃さんお仕事はされないんですか?」
やばいやばい。
別邸のことは秘密なのに……!
「今日は、織る方をしようと思っているよ。一緒にやる?」
「えっ、でも、私みたいな素人がいいんですか?」
「うん全然いいよ。だけど、この時間だと作業が終わったら遅くなりそうだし今日はゆっくりしようか」
確かに、旦那様に連絡したり移動したりして時間かかってもう十六時になってしまった。それに、荷物も届くだろうから……そう思っていたらチャイムが鳴った。
チャイムの主はやはり如月家の女性の使用人さんだった。私のリュックだけだったから中身を確認すると大学の教材だけ入っているだけだった。
「……なんでこれだけ? 服とか、は入ってないね」
「そう、ですね。はは……入れ忘れちゃったのかな」
そういえば、使用人の方は私にあまりいい感情を持っていなかった。嫌がらせを回避するのに忙しかったし……まぁ、当然かな。だけど、誰も確認しなかったのかななんて思ったけどもう今どうこう言っても仕方ない。
「あの藤乃さん。どこか衣料品を売っているお店連れて行ってもらえませんか?」
「……そうだな、まだ明るいし買いに行こうか。近くにショッピングモールがあるからそこに行こう。早速、宮下を呼ぶか」
「えっ」
そんなこんなで、私は下着類をゲットするために宮下さんに来てもらいショッピングモールへ行った。藤乃さんに買ってもらうのはとても恥ずかしかったけど……無事、手にすることが出来た。その後は、藤乃さんのご友人が経営してるレストランに行って食事を済ませると帰宅した。