激甘すぎる婚前同居。 〜訳アリ令嬢は染織家の盲愛に気づかない〜
(穂貴side)
「穂貴さんっ! できました!」
さっきまで手を震わせて恐る恐る織り機に向かっていた彼女は目標のコースターを織り終えてこちらを見た。俺はそれに近づくと、初めの方は少しよわよしいけどだんだん自信が出てきたのか綺麗な彼女らしい優しいものが出来上がっていた。
「……綺麗だよ、上出来だ」
「本当ですか!? 嬉しいですっ」
彼女はぴょんぴょん飛び跳ねるんじゃないかと思うくらいに喜んで嬉しそうだった。染める時も「すごいすごい」「本当に染まってる!」と楽しそうにしていたから予想通りの反応だ。本当に可愛い女の子だ。