激甘すぎる婚前同居。 〜訳アリ令嬢は染織家の盲愛に気づかない〜


 ワンピースに感動していると、ノック音が聞こえた。それに奥様が返事をすると旦那様が入ってくる。


「支度はできたかい? お、奈津子もいたのか。今日も可愛いね」

「ありがとうお父様。お父様、私のワンピースを美宙さんにあげたの。そしたらとても喜んでくださったのよ。それにとてもお似合いなの!」


 奈津子お嬢様はそう旦那様に言うとお嬢様がいるからか「似合っているな」と思ってもないのにそう言った。


「そろそろ行こう、時間に遅れてしまうからね」

「はい。よろしくお願いします」


 私は旦那様の後ろをついて歩いて別邸から出ると車が停まっていた。車から運転手さんが出てきて「おはようございます旦那様」とお辞儀をして車の後部座席のドアを開けてくださった。
 車に乗り込み、奥様方に見送られて私は久しぶりに屋敷の外に出た。




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