白杖くんは、恋を知った
手が小さく震えていく。ゆっくり杖を動かしながら歩いていくものの、点字ブロックの上じゃないからか、うまく進めているのかわからない。
「あの、そこを通りたいんです!退いてくれませんか?」
勇気を出して点字ブロックの上に立っている人たちに声をかけたものの、僕の声は駅員さんのアナウンスによりかき消される。そして、何か大きな音が近付いてきたその時、グイと誰かに腕を引っ張られた。
「危ない!さっき、黄色い線の内側に入るように放送があっただろ!?」
そう怒鳴ったのは、制服を着た女の子だった。この女の子が、僕を助けてくれたらしい。ぼんやりとしか見えないけど、髪はベリーショートだということがわかる。
「おい、聞いてーーー」
女の子が突然怒鳴るのを止める。どうしたんだろう?僕が声をかけようとすると、女の子が急に頭を下げた。
「いきなり怒鳴ってごめん!あんた、目が不自由なんだな。視覚障害についての特集で、白杖が紹介されてたの思い出したよ。点字ブロックの上、歩きたくても歩けなくて変な方向に行っちゃったんだな」
「あの、そこを通りたいんです!退いてくれませんか?」
勇気を出して点字ブロックの上に立っている人たちに声をかけたものの、僕の声は駅員さんのアナウンスによりかき消される。そして、何か大きな音が近付いてきたその時、グイと誰かに腕を引っ張られた。
「危ない!さっき、黄色い線の内側に入るように放送があっただろ!?」
そう怒鳴ったのは、制服を着た女の子だった。この女の子が、僕を助けてくれたらしい。ぼんやりとしか見えないけど、髪はベリーショートだということがわかる。
「おい、聞いてーーー」
女の子が突然怒鳴るのを止める。どうしたんだろう?僕が声をかけようとすると、女の子が急に頭を下げた。
「いきなり怒鳴ってごめん!あんた、目が不自由なんだな。視覚障害についての特集で、白杖が紹介されてたの思い出したよ。点字ブロックの上、歩きたくても歩けなくて変な方向に行っちゃったんだな」