38年前に別れた君に伝えたいこと

涙声に変わっていた、、
林さんの言ってた通り素直でいい子だと思う。

「とりあえず白河さん、う〜んと何て呼ぼう、美幸ちゃんでいいかな?」

「うん、私は、、圭くんって呼んでいい?」

「いいよ、美幸ちゃんの事、色々教えてくれるかな?」

彼女の事は余り知らない、いったいどんな子なんだろう。

「同じクラスでもあまり話さなかったよね、圭くん交換日記はどうかな? 皆んなやってるよ」

「交換日記かぁ、僕こう見えて結構面倒くさがりなんだよね」

「はははっ、それも知ってるよ。私がたくさん書くから、圭くんは2、3回に1回書いてくれればいいよ」

「よし、じゃあそれで行こう」

「まず私がノートを買ってきて自己紹介を書くから待っててね」

最初は、同情の気持ちからだった。
何処にでも居そうな平凡な女の子だと思っていた。

しかし、いつの間にか僕の方が彼女の不思議な魅力に取り憑かれていった。


一週間後、放課後に彼女から初めての交換日記が渡された。
「はい、嬉しくて沢山書いちゃった。圭くんの事ももっと知りたいから日記に書いてね」

日記を受け取って開いてみると相変わらず綺麗な文字が並んでいた。

「美幸ちゃんの字は、本当に綺麗だね」

「私は、女の子らしくないからイヤなんだけどね、
 圭くんの方が、丸文字で女の子の字みたいだよね」

「それは、褒めてんの貶してんの」

「違うよ、丸文字の方が女の子らしくて可愛いなぁって思っただけだよ」

男の子だったらどうなのかな?

彼女の大人びた文字は、素直に美しいと思った。
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