38年前に別れた君に伝えたいこと
そんな話をしてる内に、
科学館の入り口に順番待ちの列が出来始めていた。
「そろそろ僕達も並ぼうか?」
「うん、圭くんカップルばっかりだね」
「プラネタリウムはデートコースとして人気があるからね」
「私達もカップルに見られてるかな? 」
「兄妹には見えないでしょ」
「そういう意味じゃなくて、、」
「ん、どういう意味?」
「まだ、私達は友達のままかなって」
そういえば、バレンタインの返事をする時に、少し時間をくれるかなって言ってそのままだった。
「ごめん、きちんと返事してなかったね」
告白から既に4か月あまりが経過していた、
その間、彼女はずっと不安な気持ちでいたかと思うと申し訳ない気持ちでいっぱいになった、
「美幸ちゃんは、今の僕にとって大切な彼女だよ」
きっと、今の彼女が一番聞きたかった言葉、
「本当に? 圭くん、ありがとう」
笑顔ではしゃぐ彼女を見ていると、僕まで口元が緩む。
プラネタリウムはドーム型の建物の中央に星を移し出す瓢箪の形をした映写機があり、その周りをひな壇状に観覧席が取り囲んでいる。
入り口から中に入ると、普段目にしない不思議な空間を目の当たりにして、一瞬足が止まった。
ドーム内を見渡すと、既に席を確保して座っている人はまばらだった。
やっぱり、それ程混んでないみたいだ、、
「あまり真ん中だと首が疲れちゃうから、この辺にしよっか?」
ひな壇の中ほどで、彼女を促して席に座った。
「美幸ちゃん、プラネタリウムの今月のテーマは何だっけ?」
「・・・」
「美幸ちゃん?」