38年前に別れた君に伝えたいこと

僕の何がいけなかったのだろうか、
もっと電話をかけてあげればよかった。
もっと休みの度に何処かに連れ出してあげればよかった。

もっと手を繋いで、抱きしめて、キスをしてあげれば、、美幸ちゃん、君の不安は無くなった、


どんなに悔やんでも、もう元には戻せない。
過ぎ去った時は二度と戻らない。
  

その日の夜、勇気を出して彼女に電話をかけた、

「君嶋です、美幸さんお願いできますか?」

「あぁ、君嶋くん、美幸と何かあったの?」

「は、はいすみません。喧嘩してしまって、僕が悪いんです。謝ろうと思って」

「そう、ここ二、三日凄く落ち込んでるから、
君嶋くんお願いだから、美幸を嫌いにならないであげて」

「はい、僕はそう思ってるんですけど、、」

「ごめんなさいね、美幸と変わるから待って」


「もしもし、圭くん」
声が小さくて、元気がない。

「美幸ちゃん、手紙読んだよ、もう覚悟したんだね?」

「うん、もう圭くんの事は諦めようって決めたの」

「お互い大好きなのに、なんで別れなきゃならないの?」

「今はそうかもしれないけど、圭くんの心は少しずつ離れていくわ。私にはそれが耐えられないの」


「美幸ちゃん、僕の悪い所は直すから言ってよ」

「圭くんは何も悪くない。私が全部悪いの」


「もう一度、出会った頃に戻ってやり直したい、
今度は、僕が美幸ちゃんに告白するから、、
僕が出来ることは何でもするから」

「そしたら、、そしたら私を連れて逃げてくれる?あの大学祭に向かう電車で話したように、何処か知らない街で2人で暮らしてくれる? もしそうしてくれるなら、みんな捨てて圭くんに着いて行く、できないよね!」

「・・・そんな事、今の僕にはでき・ない」

「ごめん、分かってるのに、圭くんから離れたくないのに、もう戻れない。ごめんね」
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