38年前に別れた君に伝えたいこと
scene.9
息を切らし、公園の入り口まで辿り着いた時には、既に待ち合わせ時間を30分以上も過ぎていた、
奏楽堂までの距離はあと僅か、急に重たくなった足取りに諦めの気持ちが濃くなっていた。
遊歩道の先に小さく見える懐かしい景色、
46年も昔、あなたと私は確かに其処にいた、
恋をしていた、、
一途にあなたを思っていた、、
一緒に写真を撮ったね、、楽しくお喋りもした、
あの時は46年後の今日までも、ずっと一緒に歩いて行けると私は信じていた。一度は離れてしまったけれど、あなたが私を探してくれて、また同じ道を歩いていける、、嬉しかったのに、、
でも、、
やがて景色が開けたその場所に、、
もう、あなたは、、居ない、、
行き場のない悲しみに耐えかねて、私はその場に崩れ落ちた、
『泣かないで、約束したよね』
あなたは、そう言って私の頬の涙を拭ってくれたじゃない!
『君の笑顔を守りたい』
私を、そっと抱きしめて、
笑顔になれる魔法をかけてくれたじゃない、、、
圭くん、、
会いたい、、、、