再会から始まる両片思い〜救命士の彼は彼女の心をつかまえたい〜
しばらく勤務が重ならなかったが、久しぶりに紗衣ちゃんと一緒の日勤だった。
バタバタとその日の勤務を終えると久しぶりにそのまま一緒に夕飯を食べるためにロッカーを出た。
いつも相変わらずテンションの高めな彼女にしては珍しくなんだか落ち込んでいた。
「紗衣ちゃん、何かあった?」
注文を終え、私は彼女に尋ねてみると驚くことを話し始めた。
先日まで受け持っていた患者さんから何度も求婚され、困っていると打ち明けてくれた。
「全く恋愛感情なんてなかったんです。本当にただの患者と看護師です。全く興味もないし、私には気になる人がいるんです」
「そうなのね。でも何度も求婚されるって怖いね」
私がそう言うと彼女も大きく頷いていた。
「付き合ってほしい、ではなくて、結婚してくださいなんです。その考え方が分からなくて。その人のことなんて何も知らないし、私の何を知っているのか。働いてる姿なんて仮の姿じゃないですか。今どき天使だとでもいうんですかね」
昔から看護師というと白衣の天使に例えられてきたが、私たちからすればただの仕事。もちろん人の手助けをするのが好きだから選んだけれど、仕事だと思うからこそ割り切っている部分ある。優しく出来るのもある意味仕事だからで、私生活はそんなスタンスではやっていられない。私たちだってダラダラする時もあれば人に優しくしてもらいたい時もある。勘違いされては困るが、そう思っている人は正直なところ大多数だ。付き合ってみて幻滅されてもこっちが迷惑。
私生活を知らず、働いてる姿だけで見て求婚されてはうまくいくはずもないし、そんなことをしてくる人の精神を疑いたくなる。
バタバタとその日の勤務を終えると久しぶりにそのまま一緒に夕飯を食べるためにロッカーを出た。
いつも相変わらずテンションの高めな彼女にしては珍しくなんだか落ち込んでいた。
「紗衣ちゃん、何かあった?」
注文を終え、私は彼女に尋ねてみると驚くことを話し始めた。
先日まで受け持っていた患者さんから何度も求婚され、困っていると打ち明けてくれた。
「全く恋愛感情なんてなかったんです。本当にただの患者と看護師です。全く興味もないし、私には気になる人がいるんです」
「そうなのね。でも何度も求婚されるって怖いね」
私がそう言うと彼女も大きく頷いていた。
「付き合ってほしい、ではなくて、結婚してくださいなんです。その考え方が分からなくて。その人のことなんて何も知らないし、私の何を知っているのか。働いてる姿なんて仮の姿じゃないですか。今どき天使だとでもいうんですかね」
昔から看護師というと白衣の天使に例えられてきたが、私たちからすればただの仕事。もちろん人の手助けをするのが好きだから選んだけれど、仕事だと思うからこそ割り切っている部分ある。優しく出来るのもある意味仕事だからで、私生活はそんなスタンスではやっていられない。私たちだってダラダラする時もあれば人に優しくしてもらいたい時もある。勘違いされては困るが、そう思っている人は正直なところ大多数だ。付き合ってみて幻滅されてもこっちが迷惑。
私生活を知らず、働いてる姿だけで見て求婚されてはうまくいくはずもないし、そんなことをしてくる人の精神を疑いたくなる。