再会から始まる両片思い〜救命士の彼は彼女の心をつかまえたい〜
新しい関係
お正月を過ぎた頃、久しぶりに紗衣ちゃんと会った。
「のどかさん。あけましておめでとうございます」
「あけましておめでとうございます。ってなんだかずいぶん経ってるけどね」
「そうですね。なんだかすれ違ってばかりでしたよね」
紗衣ちゃんと同じ日勤をしていても外来と病棟に振り分けられるため一緒に働いていない日もある。そうなるとなかなか話す時間もない。
「今日この後ご飯に行きませんか?」
「え? いいけど」
紗衣ちゃんがどこかいつもと違う様子だったので私は特に断る理由もなく、すぐに行くことを決めた。
勤務を終えると近くのお店に入った。あまり病院の人は見かけない穴場のお店で、ふたりとも気に入っているので大抵このお店になる。
「さて、どうしたの?」
「早速ですか? なんだかちょっと……」
「何? そんな言いにくい話なの?」
はにかむような顔で、少し薄暗い店の中でも分かる紅潮した頬。悪い話でないのが分かる。
「加藤くんと付き合うことになりました」
「えぇ?!」
「患者さんに付き纏われてるって話しましたよね? 加藤くんはあの後もずっと気にかけて迎えに来てくれてたんです。そこから彼といろんな話をするようになって……。ある時、ちゃんと守れる理由が欲しいって言われたんです。私をちゃんと守りたいって言ってくれて、本当に嬉しくて」
紗衣ちゃんの顔は本当に幸せそうで由那ちゃんと同じ表情をしていた。
「おめでとう。よかったね」
「はい。ずっと気になっていたんです。でも言い出せなくて。そしたら彼が付き合って欲しいって言ってくれてこうなりました」
加藤くんは周りに気を遣えるし、真面目そうだしとてもいいと思う。なによりただでさえ可愛い紗衣ちゃんをこんな顔にさせてしまうなんてすごい。
「加藤くんはいい人だと思うし、紗衣ちゃんとお似合いだと思う」
「そう言ってもらえるとなんだか嬉しいです」
指先がもじもじしていて、なんだか可愛らしくて仕方ない。
しっかり者の紗衣ちゃんも恋をすると変わってしまうのね。
加藤くんが紗衣ちゃんをどれだけ大切にしてくれていて、守ってくれているのかを聞いて安心した。お互い不規則な勤務ながらも時間を見つけて連絡し合ったりしていると聞いて羨ましくもあり、嬉しくもあった。このままうまくいってほしいと思った。
「のどかさん。あけましておめでとうございます」
「あけましておめでとうございます。ってなんだかずいぶん経ってるけどね」
「そうですね。なんだかすれ違ってばかりでしたよね」
紗衣ちゃんと同じ日勤をしていても外来と病棟に振り分けられるため一緒に働いていない日もある。そうなるとなかなか話す時間もない。
「今日この後ご飯に行きませんか?」
「え? いいけど」
紗衣ちゃんがどこかいつもと違う様子だったので私は特に断る理由もなく、すぐに行くことを決めた。
勤務を終えると近くのお店に入った。あまり病院の人は見かけない穴場のお店で、ふたりとも気に入っているので大抵このお店になる。
「さて、どうしたの?」
「早速ですか? なんだかちょっと……」
「何? そんな言いにくい話なの?」
はにかむような顔で、少し薄暗い店の中でも分かる紅潮した頬。悪い話でないのが分かる。
「加藤くんと付き合うことになりました」
「えぇ?!」
「患者さんに付き纏われてるって話しましたよね? 加藤くんはあの後もずっと気にかけて迎えに来てくれてたんです。そこから彼といろんな話をするようになって……。ある時、ちゃんと守れる理由が欲しいって言われたんです。私をちゃんと守りたいって言ってくれて、本当に嬉しくて」
紗衣ちゃんの顔は本当に幸せそうで由那ちゃんと同じ表情をしていた。
「おめでとう。よかったね」
「はい。ずっと気になっていたんです。でも言い出せなくて。そしたら彼が付き合って欲しいって言ってくれてこうなりました」
加藤くんは周りに気を遣えるし、真面目そうだしとてもいいと思う。なによりただでさえ可愛い紗衣ちゃんをこんな顔にさせてしまうなんてすごい。
「加藤くんはいい人だと思うし、紗衣ちゃんとお似合いだと思う」
「そう言ってもらえるとなんだか嬉しいです」
指先がもじもじしていて、なんだか可愛らしくて仕方ない。
しっかり者の紗衣ちゃんも恋をすると変わってしまうのね。
加藤くんが紗衣ちゃんをどれだけ大切にしてくれていて、守ってくれているのかを聞いて安心した。お互い不規則な勤務ながらも時間を見つけて連絡し合ったりしていると聞いて羨ましくもあり、嬉しくもあった。このままうまくいってほしいと思った。