再会から始まる両片思い〜救命士の彼は彼女の心をつかまえたい〜
「のどかちゃんが俺を好き? 信じられないよ」
そう言うとぎゅっと腕に力が込められる。
私の首筋に顔を埋めた彼の声が耳元から聞こえてくる。
「良かった。何度も君を好きだと言いたかった。それなのに俺に自信がないから原島先生とのことを疑って酷い言葉を投げかけてしまった。帰ってから反省した。なんで原島先生から奪い取るくらいの気持ちで告白しなかったのか。君を攻めるなんてお門違いだった」
「私もずっと気になっていたことを正直に聞けば良かった。そうしたら遠回りせず済んだのに」
「なんでも聞いてほしい。俺は君に隠し事はしない。もちろん付き合っている人がいるのに別の女性とでかけたりするような不誠実はしない」
「うん……」
私はぎゅっと彼のジャケットを握りしめた。
すると彼は私の顔を上に向かせると唇を合わせてきた。
「……!」
昼間のエントランスでなんてことを……。
私は恥ずかしくなり彼のジャケットに顔を埋めた。
「バカ」
「いつのどかちゃんが攫われてしまうか気が気じゃなかったんだ。だから今俺の腕の中にいるのが嬉しくて。ごめん」
彼はまた私の耳元に顔を埋め謝ってきた。
しばらくこうして彼の腕の中にいたいのはやまやまだが、さっきふと我に返ったようにここはエントランス。平日の昼間とはいえ誰がくるかわからない。
私はそっと彼から離れた。
「どこかに行くところだった?」
彼に言われてハッとした。
適当な服に、メイクもしていないスッピンだった。
私は慌てて両手で顔を隠す。
「私、買い物に行くつもりでこんな格好。しかもメイクもしてない」
慌て出す私の様子に彼は、「いつもと同じで可愛いよ」と甘い声を出す。
今日という日をこんな格好で迎えるなんてショック。しかもスッピンだなんて恥ずかしすぎる。
顔を押さえたままでいる私の頭を撫でると彼は、
「俺は今の君も十分に魅力的だと思う。でも気になるのなら待ってるよ。一緒に出かけよう」
私は頷くとエレベーターに乗り込み、慌てて自宅へ帰った。
鏡に映る自分は頬が紅潮していた。
彼を待たせるわけには行かないと慌ててミルクティー色のニットワンピースに黒のタイツを履き、メイクをした。
慌ててエントランスへ戻ると彼はすぐに私の手を握ってきた。
「お待たせしました」
「待ってる時間に今の状況を噛みしめてたよ」
彼は笑いながら話していた。
今日ここにくるまではずっと悩み、それでも私に謝りたくてきたのだと。でも電話をすることもインターホンを押すこともできずにここで悩んでいたのだと教えてくれた。
「情けないだろ?」
自虐的に話すが、私だって昨日から夏目さんの誤解を解きたくて鬱々としていた。だけど一歩踏み出せずに苦しかった。夏目さんはその一歩が踏み出せたのだから私には情けないとなんて思えない。
私はぎゅっと手を握り返した。
「来てくれてありがとう」
私の言葉を聞いて彼は目を見開いたが、すぐに優しい眼差しで私を見てきた。
「優しいな。俺こそありがとう」
彼はまたさっと唇を合わせてきた。
そう言うとぎゅっと腕に力が込められる。
私の首筋に顔を埋めた彼の声が耳元から聞こえてくる。
「良かった。何度も君を好きだと言いたかった。それなのに俺に自信がないから原島先生とのことを疑って酷い言葉を投げかけてしまった。帰ってから反省した。なんで原島先生から奪い取るくらいの気持ちで告白しなかったのか。君を攻めるなんてお門違いだった」
「私もずっと気になっていたことを正直に聞けば良かった。そうしたら遠回りせず済んだのに」
「なんでも聞いてほしい。俺は君に隠し事はしない。もちろん付き合っている人がいるのに別の女性とでかけたりするような不誠実はしない」
「うん……」
私はぎゅっと彼のジャケットを握りしめた。
すると彼は私の顔を上に向かせると唇を合わせてきた。
「……!」
昼間のエントランスでなんてことを……。
私は恥ずかしくなり彼のジャケットに顔を埋めた。
「バカ」
「いつのどかちゃんが攫われてしまうか気が気じゃなかったんだ。だから今俺の腕の中にいるのが嬉しくて。ごめん」
彼はまた私の耳元に顔を埋め謝ってきた。
しばらくこうして彼の腕の中にいたいのはやまやまだが、さっきふと我に返ったようにここはエントランス。平日の昼間とはいえ誰がくるかわからない。
私はそっと彼から離れた。
「どこかに行くところだった?」
彼に言われてハッとした。
適当な服に、メイクもしていないスッピンだった。
私は慌てて両手で顔を隠す。
「私、買い物に行くつもりでこんな格好。しかもメイクもしてない」
慌て出す私の様子に彼は、「いつもと同じで可愛いよ」と甘い声を出す。
今日という日をこんな格好で迎えるなんてショック。しかもスッピンだなんて恥ずかしすぎる。
顔を押さえたままでいる私の頭を撫でると彼は、
「俺は今の君も十分に魅力的だと思う。でも気になるのなら待ってるよ。一緒に出かけよう」
私は頷くとエレベーターに乗り込み、慌てて自宅へ帰った。
鏡に映る自分は頬が紅潮していた。
彼を待たせるわけには行かないと慌ててミルクティー色のニットワンピースに黒のタイツを履き、メイクをした。
慌ててエントランスへ戻ると彼はすぐに私の手を握ってきた。
「お待たせしました」
「待ってる時間に今の状況を噛みしめてたよ」
彼は笑いながら話していた。
今日ここにくるまではずっと悩み、それでも私に謝りたくてきたのだと。でも電話をすることもインターホンを押すこともできずにここで悩んでいたのだと教えてくれた。
「情けないだろ?」
自虐的に話すが、私だって昨日から夏目さんの誤解を解きたくて鬱々としていた。だけど一歩踏み出せずに苦しかった。夏目さんはその一歩が踏み出せたのだから私には情けないとなんて思えない。
私はぎゅっと手を握り返した。
「来てくれてありがとう」
私の言葉を聞いて彼は目を見開いたが、すぐに優しい眼差しで私を見てきた。
「優しいな。俺こそありがとう」
彼はまたさっと唇を合わせてきた。