めぐり愛
・・・誰?
「大丈夫か?」
目を開けることの出来ない私。
問いかける声が私へのものだと確信したのは、微かに漂ってきた香水と煙草の匂いだった。
「・・・大丈夫です。」
私の口から出た言葉はあまりにも小さく擦れたものだった。
しゃべるのもキツいや。
「いや、大丈夫じゃないだろ。」
男の人・・・
声の感じからして私よりは少し年上だろう。
「どっか痛いのか?」
そっかこの人からは私の傷が見えないんだ。