めぐり愛
「いや・・・あの・・・」
素直に痛いと言うべきなのか。
見ず知らずの顔すら分からない男。
「腹、痛いのか?」
無意識のうちにお腹を抱えていたのか。
「あの・・・大丈夫ですから。」
このままじゃ警察や施設へ連絡されるかもしれない。
そう思った私は大きく深呼吸をし、ゆっくり身体を起こし同時に目をゆっくり開けた。
起き上がろうとする私の肩に、そっと手が添えられるのを感じた。
「大丈夫か?」
目の前にいたのは心配そうに私を覗き込む顔。
あいつとの出会いだった。