めぐり愛

高校生くらいだろうか。
決して真面目には見えない男。

起き上がった私の隣へと腰を下ろし、もう一度
「大丈夫?」
と聞いてきた。

「本当・・・大丈夫・・・ですから。」
痛みでうまくしゃべれないや。

「どう見ても大丈夫じゃないだろ。動けないのか?救急車呼ぼうか?」
そう言い携帯を開こうとする腕を掴んだ。

「救急車はやめてください!」
そんなことをされたらすぐに寺田が来る。

しばらく私を見ていた男は「分かった。」
と携帯をズボンのポケットに突っ込んだ。


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