めぐり愛

「お前これ・・・」

私の身体は痣や傷だらけ。
古い傷が治る間もなく、新しい傷を作られる。
とても女の子の身体と言えるもんじゃない。

この男ひいただろうな。
もう構わないで。
どうしようもないんだから。

「お前家は?」

「・・・ありません。」

また黙る男。

「じゃあ何処で寝泊まりしてる?」

素直に言うべき?
言ったら施設へ返される?
そんなことを聞いてどうするの?

なんて考えている私に、もう一度男の声が届いた。

「何処で寝てんの?」



その声はあまりに優しくて思わず
「・・・こばと園・・・」
と施設の名前を言ってしまった。

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